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しっとり薄皮饅頭が、是が非でも食べたい。
姐やんはおはよう代わりに 「ハニー マンジュ~!ハニー マンジュ~!」 と、相方を揺さぶる。 むろん相方は、咄嗟のことに、何が何だかわからない。 そこは日系家族ですから、端午の節句のために、柏餅や粽なんかも買いましょう。 あっちゃこっちゃうろうろお買い物。遅いお昼に、天ざる蕎麦なんかいただきましたね。 お土産に、4チーズピッツァ&鮭おむすびに唐揚げに海草サラダよ。 で、食後の愉しみに、日本茶淹れて、ぱくっといったお饅頭。 う… 薄皮じゃないじゃん。 もそもそ厚皮饅頭じゃん。 これっていわゆる、葬式饅頭なんでしょか。 笑いましょう泣きましょう。 夢に見るほどいただきたかった、薄皮饅頭が厚皮です。 ハワイの饅頭侮れず。 なかなかどうして怖いぞぅ。(笑) 翌日。 朝のために、相方が焼いておいたブルーベリーマフィンはすでにない。 だから姐やんは、コーンブレッド捏ねはじめたんですよ。 ほんわか焼けたと思ったら、冷ますヒマから売れていく。 すごい子等&相方。 バッタの大群が、草原の緑を、跡形もなく喰いつくしていくような食欲だ。 で、それからふと訪れてみたのは、カフェマハラニさん。 出がけに子1が、ジョークなのかシリアスなのか 「インディアンクジーンのお店に行くなら、福神漬け持ってきなさい。きっとないよ」 と、気を回しているのが微笑ましい。 「マハラニとは、クウィーンという意味なんですね。今日から僕は、お姐さんをマハラニと呼びます。ナマステ~」 と、テーブルを挟んで、向き合った相方が私に合掌している。 賢明でありながら、精一杯の美しい、ただの口先三寸だなそれは。(笑) そして、冷たいチャイを啜ったら、たちまちシナモン&カルダモンな、インディアンフレーバーの虜になる私。 しゃりらりしゃりらりしゃりらりら。 頭の中で、すでに愛のシタールは鳴っている。 チキンビンダルゥは、コリアンダーと、フルーツ&お野菜ピュレのさっぱり系。 数知れず絡み合い、かつまた融合した、香辛料たちの奏でるハーモニィ。 ビーフマサラは、ギーのコクが際立つ、濃厚カルダモンこってり系。 数知れず絡み合い、かつまた融合した、香辛料たちの奏でるハーモニィ。 辛味はね、チリじゃなくってハバネロだってよ。 インディアンクジーンのお店で、ビーフのメニューがあるのは珍しいですねと尋ねたら、それはヒンドゥーではないからとのことでした。 姐やん辛いの好きだから、「ホット」って注文したの。 そしたら、ウェイターのお兄さんが念を押すように 「そんじょそこらのホットじゃなくって、インディアンホットですよ~」 と、言うのに怖気づき 「…マイルドで…いやミディアムホットでナマステ~?」 と、疑問系で注文のし直し。 そうして、爽やかな感じに、舌が燃えました。 か~っ! じんじんとコメカミに響かない、さらっとした一過性の辛さ。 辛味じゃなくって、ふんだんなスパイスの香りでハイになる。 塩気は薄め。でもマンゴーチャツネで、好きなように風味をコントロールできちゃうのがイイ。 チャパティ好き好き。お代わりちょうだい。 バスマティライスに、シュレッドココナッツまぶしたごはんは、シナモンスティックで香りづけしてあるの。 いけないこれは。 馥郁としたスパイスたちに、姐やんは持っていかれる。 いけないこれは。 耳朶の奥深く、愛のシタールが、鳴り響いたまま止まらない。 ヨーグルト&ハルヴァは、カスタードゴートチーズみたいに濃厚で、しっかりしとかないと、身の破滅を招いてしまいそうな罪な甘さよ。 うっとりしながら姐やんは、カルダモンの実を取り出して、ず~っとず~っと笑いながら嗅いでいた。 あ~…。 シトラシィなくせに、なんなのこの甘く妖しく、胸焦がすようないい匂い。 あ~…。 指先にも髪にも、カルダモンの魅惑の香りが、まつわりついて染みていく。 あ~…。 姐やんは、カルダモンの香りに酔い痴れて、どこか異次元へトリップしたまま還れない。 あ~…。 「サイエンスフェアの学校行事で忙しい子1から、ベジタブルピッツァの差し入れ要求があったぞよ」 「Whatever you say Maharani.」 相方は、正しい応対を崩さない。 「Your word is law Maharani.」 が、この重臣、いつも殊勝なのは束の間だ。 時折り勘違いして、マハラジャ宣言の、大謀反を企てるのが珠にキズ。 で、湯浴みの儀式は、カルダモンスウィートの香りの、インディシュガーラブで全身くまなくマッサージ。 そして、ヒンディ映画。 「Main Madhuri Dixit」観賞。 マハラジャもマハラニも(←「相方も姐やんも」と言っている)、じゃんじゃか踊りだしたい気分なの。 凄いよねインドのムーヴィインダストリィ。 田舎娘のチュキはね、踊りが得意。 ボンベイに行って、マドゥリみたいな映画女優になるのを夢見てる。 幼馴染のラジャの、何があっても変わらない励ましと協力を得て 悪人はびこる大都会のボンベイで、悪戦苦闘しながら、紆余曲折を経ながら、山坂たまさか越えながら、頑張るんだよチュキとラジャは。 踊りのシーンは、物語ぶっとばすほどに圧巻だ。 チュキはもう、踊りだしたら女神様。 で、昭和初期の小津映画のような内容展開に、相方も姐やんも、首クネクネ踊りしながら落涙だ。 素晴らしい! インドの、人情ほろりダンシング百烈映画! これはもう、インド人にビックリ! 韓国映画より、ある意味はるかにスパイシィ。 まさか落涙するとは、予測だにしていなかった。 ラジャは全人類の女性の、理想の男性像なんですよ。 でも、その素晴らしい人物のラジャ、長身でもなく、パグに似てるのパグに。 ラジャパグ ラジャパグ ラジャパグ ラジャパグ。 男は顔じゃない。 男はパグだっ! ってくらい、素晴らしいハートの持ち主なのラジャ。 「結婚生活を穏やかに、幸せに営むなら絶対パグ。 でも、恋に溺れるなら、身も心もぼろぼろになるとわかっていても、決して幸せにはならないと知っていても、それを覚悟で、手強いシェパードを選ぶのが、女の道というものよね~(英)」 と、相方に語れば 「ごめんね僕はシェパードで。ガルルル…ワフワフッ!(吠)」 と、本来なら、マハラニの名によって、死罪は免れないようなことを言う。 そんなこんなで、姐やんはカルダモンの精油を買いに、近々走って行かなければなりません。 顔の彫りの限りなく浅いマハラニは、そう決め込むのでした。 ……… 衆生あまねく、タ~ジ~マ~ハ~ルゥ~。 (額にビンディ。生き様は、カーマスートラに則ろう。合掌~。) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.05.08 19:37:59
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