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京都新聞のインターネット記事より。
>センター試験 全日程終了 地球温暖化など 環境テーマの出題が相次ぐ >1月20日22時49分配信 京都新聞 > > 20日まで行われた大学入試センター試験で、地球環境問題への >世界的な関心の高まりを反映し、環境に関する出題が相次いだ。 >地球温暖化や1997年の地球温暖化防止京都会議(COP3)の >ほか、バイオエタノールなど最近の話題からも出題された。 (中略) > 初日の19日に行われた「地理A」の第4問は「地球的課題と >国際協力」がテーマで、シベリアの森林伐採や中国の酸性雨、内 >陸の砂漠化などが題材になった。小問で「持続可能な社会をめざ >す取組み」として、原子力発電ではなくリサイクルを正答とした。 (以下略) 「小問で「持続可能な社会をめざす取組み」として、原子力発電ではなくリサイクルを正答とした。」・・・ 何やら「原子力推進を行うのは間違いでリサイクルが正しい」という訳のわからない比較を行っているように読める文章でありますが、実際の設問はこれ。 >地理A >第4問 地球的課題と国際協力に関する次の問い(問1~6) >に答えよ。(配点 18) >問6 地球的課題解決の試みである持続可能な社会をめざす >取組みについて述べた文として最も適当なものを、次の(1)~ >(4)のうちから一つ選べ。 「29」 >(1)マレーシアでは、原木の輸出拡大を図るため、保全林と木 > 材の生産を目的にする生産林を定めている。 > >(2)フィリピンでは、伝統的な農業技術にもとづく「緑の革命」 > によって、食料生産を高めている。 > >(3)ドイツでは、色別に種分けしたリサイクルボックスを用いて > 空きビンを回収し、資源化している。 > >(4)スウェーデンでは、安定供給ができない新エネルギーを全廃し、 > 原子力発電の割合を高めている。 正解は(3)。 原子力について述べた(4)は確かに誤りです。 が、これは、「スウェーデンでは、安定供給ができない新エネルギーを全廃し、原子力発電の割合を高めている」が事実と異なる記述である、ということ。 京都新聞の「「持続可能な社会をめざす取組み」として、原子力発電ではなくリサイクルを正答とした。」といふ表記はおかしいと思います(^_^;) 余談(まめ知識) スウェーデン政府は原子力からの段階的撤退を決めていますが、実は、同国の2004年の世論調査では80%以上が原子力発電を指示するとの回答をしております。 ただ、2006年7月にフォルスマルク発電所で工事監理の問題、非常用電源の設計不良と施工不良、保全管理不良が重なったことで、安全系の一部の機能が喪失するという事象が発生してしまいました。 このため、現時点での世論がどうなっているのか、私にはわかりません。 ちなみにこの事象、「プルトニウムが漏れたのに、何故国内マスコミは報道しないのか? 電力会社が広告スポンサーだからか?」・・とブログで書かれていた方もいらっしゃるようですが、これはとんでもない事実誤認(笑)です。 フォルスマルクでは冗長性確保のために2系統ある安全系のうち、片方が死にましたが、残る1系統は設計どおりに働き、原子炉は安全に停止しました。さらに、仮に残る1系統が逝ってしまっても、他にバックアップする系統が別にあったそうです。 さまざまなミスの連鎖で安全系の機能の一部が失われたのは大きな失態ですが、地球の反対側で発生した何も漏れていない事象を大きく取り上げることはない、とマスコミは判断したのでありましょう。 実は中越沖地震による柏崎刈羽停止などよりも重大な事象だったのでありますが。 なお、日本の原子力発電所は全て、フォルスマルクとは非常用電源構成が異なっています。これに加えて複数の相違点により、同一事象が国内で発生することはありません。 ただ、複数のエラーが重なって系統の一部が使えなくなることもある、という点では非常に勉強になる事象です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年01月22日 01時42分40秒
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