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カテゴリ:エコだよ、それは!
おはようございます。
今日は午前中はネスパスで新潟県産品購入運動を展開、午後から「科学技術と報道」セミナーに参加の予定のため眠るつもりだったのですが、パソコンの電源を切る直前、非常に「イタイ」記事を見つけてしまったので、急遽取り上げることにしました。 ↓これです。 ラムちゃんコスプレなど50人弱 「電気代値上げ反対・原発ヤメレ」デモ よりによって電気街・秋葉原で、「電気料金値上げ反対! 原発ヤメレ!」デモ! これは実は自虐的なギャグで、ウケを狙ってやったのでありましょうか? 現在の我国では原発ヤメたら化石燃料に頼らざるを得ないわけで、電気料金がもっと上がるのは明らかでありましょう。 それとも、まさか社民党のように原子力の代わりに自然エネルギーを、などとホントに本当に本気で考えているのでしょうか? 我国の戸建住宅全ての屋根に太陽光発電設備(3kWクラス)を設置しても、その出力は我国全ての電力消費量の7~8%にしかなりません。 以前も少し触れましたが、実際には電力系統の安定性への影響を考慮すると1/3が限界で、2/3までいくと悪影響が顕在化するとのことです。 そして、この太陽電池の単位電力量あたりの価格は原子力や火力の数倍です。 不安定さを相殺するため、バックアップとして使い勝手の良い火力を待機させておくことも必要ですが、これも電気料金の上昇につながります。 安定供給のために蓄電池を設置する方法もありますが、改良されているとは言えNaSやリチウムイオン蓄電池はまだ非常に高価で、只でさえ高価な太陽電池の価格をさらに引き上げます。これはバックアップ用火力の比ではありません。 太陽光の他の再生可能エネルギーである風力、地熱、バイオマス、波力、マイクロ水力・・・など、複数種のエネルギーを組み合わせたとしても、我国の現在の電力の30%を支える原子力発電の代替電源には到底なり得ません。 再生可能エネルギーの無理な導入は立地地域の自然環境の破壊と電力系統の安定性の低下、そして電気料金の高騰を招くことになります。 また、原子力を廃止した穴埋めとして化石燃料火力を増設するのは、我国が目指さざるを得ない温暖化ガス削減の方向と明らかに反します。 化石燃料の場合、電気料金は自然エネルギーほどは上昇しませんが、最近あったやうな燃料価格の乱高下に対する耐性が大きく低下します。(実際、米国の大学で「日本の電力価格の安定には原子力が大きく関与している。但し、あまり原子力の割合を過剰に増やすべきではない。」との論文が発表されています。) 石炭は比較的安価ですがCO2の発生量が化石燃料で最も多く、PPS業者による小規模石炭火力の建設に対して環境省がクレームをつけたことがここ数年で何回もあります。エネルギー誌の取材に対し、PPS業者が「われわれも電力会社からCO2の出ない原子力の電気を購入したい・・・」と本音を漏らしたことがあるほどです。 騒ぐのは簡単ですが、どうしたら良いのか教えて欲しいところでありますよ。 しかし、50人もいて「自然エネルギーは高い」ことに全く誰も気付いていないことに驚きを感じてしまいます。 このデモは既に一般人の多数のブログで嘲笑の対象として採り上げられているようで、「マンガ好きで漢字を知らない麻生総理同様、やっぱりおオタクは・・・」とオタク全てが冷ややかな目で見られるのではないかと心配です。 ところで、デモに参加した50人は全員、私や私の職場の同僚2名やanti_hirai氏(4人とも電力・原子力関係者だよ。)のように、太陽光発電設備を自宅に付けているのでありましょうね。 (いや、もしつけていたら「電気料金値上げ反対」と「自然エネルギー推進」を同時には叫べないはずだ!) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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