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チラシの裏の幻視録

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2009年11月06日
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カテゴリ:原子力
 こんばんは。

 本日は東京へ出張でした。
 会議の後で急遽別件の打ち合わせが入ってしまい、予定していた電車に乗れなかったので自宅宿泊であります。


 さて、さまざまな議論を巻き起こした例のNHKの番組が、原技協から「意見」されていました。

NHKスペシャル「原発解体~世界の現場は警告する~」報道について

 原技協には建設や運転や改造工事等に携わった電力やメーカー出身の方が大勢揃っており(かと言って味方かと言ふと・・・微妙)、さらに最高顧問はJPDRの解体プロジェクトに直接関わられた石川先生です。
 JPDRは旧原研の研究炉。出力は小さくとも立派な軽水炉で、タービンを使った発電も実施しました。運転終了後は廃炉・解体され、跡地は既に更地になっています。

 原技協が組織としてマスメディアに対して意見を出すのは異色のこと。内部事情は解りませんが、あまりにも偏った内容に皆さん黙っていられなかったと言ふことでありましょうか。


 この「意見」の中で、私が「技術者が多いだけに、良いことを書いているなあ!」と感じたのは下記の部分。

> 解体技術は、今や適切に技術を組み合わせ、いかに合理的に
>実施するかというシステムエンジニアリングの段階である。
> エンジニアリング上での不具合と技術の成立性とは分けて認
>識すべきである。



 原子力に限らず、「工学」や「技術」と言ふ概念についてある程度理解のある方には解って頂ける一文だと思うのですが、原発反対のある方のブログを読むと「意味がわからない」と書かれていて、少しばかり残念に思いました。
 ・・・・まぁ、さう言ふものなのかも知れませんね。



 ところで、「原発解体」はかなり偏った内容だったとのことですが、その対極に位置すると思われるのが、石川先生の本「原子炉解体」。
 絶版になって久しい本ではありますが、NHKの「原発解体」を見た方には是非読んで頂きたい一冊です。
 名称は似ていますが、「原子炉解体」の方は、難題に立ち向かうことで技術が進歩すること、そして、それを支えるのは人間の情熱であることがよく解る名著。

 私は昔、この本を読んで「将来、自分も廃炉・解体の仕事もやりたい!」と感じました。


 人間の一生と同じで、建設(誕生)と解体(永眠)の両方が大切。かつて一緒に苦労したことのある仲間の最期は、何らかの形できちんと看取ってあげたいな、と思います。

 それが自分の義務ではないかと感じています。(実は、こういう少し大変な仕事ってワクワクするのですよ。「よし、俺たちがやってやるぜ!」と言ふ感覚ね。)





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最終更新日  2009年11月07日 02時57分24秒
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