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まろ0301

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2024.03.27
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カテゴリ:カテゴリ未分類

 三浦しをんの作品を読んだのは、『神去なあなあ日常』が最初だったと記憶している。他に『風が強く吹いている』『まほろ駅前多田便利軒』などが印象に残っている。

 『舟を編む』をいつ頃読んだのかは定かではないが、全く引き込まれてしまった。それまでおよそ「辞書を編纂する人たち」に関心を持つ事は無かったが、常にカードを携帯し、女子高生の会話に耳を澄ませて新しい用例を収集して日本語が変化していく現場に立ち会い、同時にこれまで長年使用されてきた言葉の語釈を改めて考え直す。「右」という言葉をどう定義づけるか。「愛」と「恋」とはどう違うのか。また両者が合体した「恋愛」という言葉をどう説明するか。

 辞書の紙をどうするか。「ぬめり」という言葉を初めて目にした。

 大槻文彦が編纂した「日本初の近代的国語辞典」とされる『言海』。「言葉の海」。ここに載っている「猫」は、猫にたいする語釈の傑作と言われている。以下に紹介する。

 

 ねこ(名)【猫】

[「ねこま」下略。「寐高麗」ノ義ナドニテ、韓國渡來ノモノカ。上略シテ、「こ

ま」トモイヒシガ如シ。或云、「寐子」ノ義、「ま」ハ助語ナリト。或ハ如虎(ニヨ

コ)ノ音轉ナドイフハ、アラジ。]

古ク、「ネコマ」。人家ニ畜フ小サキ獸。人ノ知ル所ナリ。温柔ニシテ馴レ易ク、又能

ク鼠ヲ捕フレバ畜フ。然レドモ、竊盜ノ性アリ。形、虎ニ似テ、二尺ニ足ラズ、性、睡

リヲ好ミ、寒ヲ畏ル。毛色、白、黑、黄、駁等、種種ナリ。其睛、朝ハ圓ク、次第ニ縮

ミテ、正午ハ針ノ如ク、午後復タ次第ニヒロガリテ、晩ハ再ビ玉ノ如シ。陰處ニテハ常

ニ圓シ。

 

 大槻の生涯を活写したのが、高田宏の『言葉の海へ』。これも大変に面白かった。

 調子に乗って、『大漢和辞典』を編纂した諸橋轍次の事も調べた。こちらも言葉にならないほどの偉業と言っていい。

 

 さて、『舟を編む』だが、映画化された。原作にかなり忠実な作品だった。

 ところが今回のNHKの作品は、ファッション雑誌の元読者モデルで、現在はその雑誌の編集部にいる女性が、玄武書房初の中型辞典を編纂するという現場に移動になる処から始まる。正しくは、彼女が大泣きしているシーンから始まる。号泣、涕泣などいった「泣く」に関する言葉が字幕で入る。

 第一回目のキーワードは、彼女がなんとなく使っている「~なんて」という言葉。個性の強い辞書編集部の面々と不安な日々を過ごすうちに、彼女は、辞書をひいて「~なんて」という言葉の意味を知ることとなる。

 第六回目は、いよいよ、「なぜ紙の辞書でなくてはならないのか」問題が浮上してくる。

岩松了演じる荒木が、中型辞書作成の企画が通った事を、彼が敬愛する松本(柴田恭兵)に知らせに生き、喜びのあまり二人で手を取り合ってぴょんぴょん跳ね、ぐるぐる回るシーン。

しかし、本当に紙の辞書を作らねばならないのかと疑問を呈する経営者(堤真一)とどう戦うか。

 「辞書はなぜ紙でなければならないのか」という問いを私も共に考えたい。そして、書店に行って、「この一冊!」という辞書を買いたい。

 

※「辞書はなぜ紙でなければならないのか」と打つと必ず、「神でなければならないのか」と私のパソコンは変換する。ちょっと不思議。






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Last updated  2024.03.27 00:25:50
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Re:ドラマ「舟を編む」(03/27)   嫌好法師 さん
ある人から勧められ私も今ハマっています^^

原作も読んだし映画も観ましたが、細かい所はほとんど覚えていないというぐらいに、脳の方が劣化してきています。もうおそらく再読はしないと思うけど、読めばまた感動できるという気持ちでいられるというのは、「なんて」贅沢な幸せ! (2024.03.27 11:05:07)

Re[1]:ドラマ「舟を編む」(03/27)   まろ0301 さん
嫌好法師さんへ

「なんて」の語釈。

[副]《「なんという」の音変化》
1 驚いたり、あきれたり、感心したりする気持ちを表す。なんという。「—だらしないんだ」「—すばらしい絵だ」

2 どのように。なんと。「—返事を書こうか」


[副助]《副助詞「など」に格助詞「と」の付いた「などと」の音変化》名詞、名詞に準じる語、活用語の終止形に付く。

1 ある事物を例示して、それを軽んじたり、婉曲 (えんきょく) に言ったりする意を表す。なんか。…などということは。「手伝い—できるか」「本気にする—ばかね」

2 (終助詞ふうに文末に用いて)ある事物を例示して、それを意外に、また、疑わしく思う気持ちを表す。「日本が沈没する—」「あの人が先生だ—」

3 ある事物を例示して、次の語と同格であることを示す。…などという。「田中—人、知らない」「人間—ものはちっぽけなもんです」


 ドラマの第一回では、「なんて」は、「それを軽んじたりする」意味でつかわれていましたね。しかし一方で、嫌好さんのように「感心する」という意味にもなる。言葉の面白さ、深さを改めて認識させられています。毎週見るのが待ち遠しいドラマがあるというのは、いいものですね。、 (2024.03.27 15:03:48)

Re:ドラマ「舟を編む」(03/27)   maki5417 さん
私も見ています。
キャスティングを見てどうかなと思いましたが、野田洋次郎、池田エライザとなかなかいいですね。
映画よりも気に入っています。

それにしても正社員ふたりというのは、驚きです。 (2024.03.27 23:42:48)

Re[1]:ドラマ「舟を編む」(03/27)   まろ0301 さん
maki5417さんへ

正社員二人というのは、実態がそうなんでしょうね。それにしても厳しい条件、働き方ですね。
(2024.03.28 14:40:08)

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Comments

まろ0301@ Re[1]:ドラマ「舟を編む」(03/27) maki5417さんへ 正社員二人というのは、…
maki5417@ Re:ドラマ「舟を編む」(03/27) 私も見ています。 キャスティングを見てど…
まろ0301@ Re[1]:ドラマ「舟を編む」(03/27) 嫌好法師さんへ 「なんて」の語釈。 […
嫌好法師@ Re:ドラマ「舟を編む」(03/27) ある人から勧められ私も今ハマっています…
まろ0301@ Re[1]:大二病なのか?(03/20) maki5417さんへ 確かに「詳細につきまし…

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