カテゴリ:ニュース 違った目線
「貧すれば鈍する」という言葉がある。 昔、街の電器屋さんは、憧れの場所だった。クリスマスプレゼントのラジカセも小さな電器屋さんのショーウィンドゥに並んだ現品を数ヶ月前から眺めていて買ってもらったり、引越しして憧れのシャンデリアをカタログ注文したり、夢有る場所だった。 ところが、昭和の後半あたりから、量販店が安価と品揃えという武器で市場を変えてしまってから、一部の街の電器屋さんは商いをたたみ、一部は商売を続けるも、何たる事か性格が変わってしまった。 基本パターンはこうだ。 電器の事がよく分からない一人暮らしの老人を見つけ、僅か130円の電球を交換してあげて「出張料なんか要りませんよー」と言って帰って行く。 こんな商売していたら儲からないけど、それを繰り返すと“信頼”が成り立っちゃうから、何時の日かその老人は電器屋さんの言うとおりに買い物をするようになる。無知な者と相談者が居ない者はカモなのだ。 まだ直す事が出来る冷蔵庫も新型の超大型冷蔵庫に買い変えさせ、地デジ化でということで首が疲れるほど巨大な画面の液晶テレビを勧める。 炊飯器は半年毎に新調され、物置になっている部屋にもエアコンが入れられる。 一部の年金生活者は、働き盛りの若い労働者よりもよっぽど高いお金が二月間隔で入ってくるので、値引きなんか必要ない。 騙される老人も気の毒だが、騙す一部の電器屋さんもその人生は気の毒だ。 そして今、新しいネタが登場している。LED電球だ。 先日、僕が勤める職場に来た電器屋さんは、要約すると下記の事を発言した。 1.「切れやすい今までの電球よりも、LED電球は得です。」 2.「法律が出来て、数年後に今の電球が作られなくなるのです。全てLED電球に変わります。」 3.「各家庭がLED電球になるのですから、各家庭の電気使用料金が下がるため、東京電力の社員のの給料が払えなくなります、だから、近いうちに電気代も値上げされます。」 だから、LED電球を買いなさいというストーリーだ。 1は、ほぼ正しい。それでも開発途上の製品であるため、すぐに壊れてしまった事故が少なくない。数年使えると言われて数日で切れたら悲しい。保証交換はされるのだろうか。 2は、大変おかしな話だ。世界的なエコの風潮で政府から電器メーカーにLED電球の開発販売を推奨しているが、概存の電球を生産する事を禁止するなんて法律は無い。一部のメーカーが製造を中止したのは安価な電球が割りに合わないからだ。たとえ、日本のメーカー全てが概存電球の生産をとめたところで、韓国のサムスンは作り続け日本に輸入されるであろう。インドの企業ももうすぐ峠を越えてくる。 3は、公益事業について勉強不足だ。電気料金は政府が承認する。また、各家庭よりも工場の電器使用率の方が莫大の大きいためあまり影響ない。 この電器屋は営利企業しか知らない頓珍漢だ。 高齢者相手に頑張る一部の電器屋さんは、元々ヤクザやチンピラではないので羊や鳩のように優しい顔をして思いやりある笑顔でいる。 しかし、今やっている行為は、オレオレ詐欺の犯人とあまり変わらない。 横尾けいすけ Yokoo Keisuke mail to cayman450s@yahoo.co.jp お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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