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桜井ジャーナル:マスコミが報道しない事実    ―見えない「帝国」の闇 【非公式情報】    

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2006/06/08
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アフリカ東部、いわゆる「アフリカの角」に位置するソマリアで今年2月頃から戦闘が激しくなりはじめた。その背後でアメリカ政府が動いていたことが明らかになりつつある。アメリカの新聞、ワシントン・ポストが5月に掲載した記事によると、イスラム勢力と対立している武装グループにアメリカ政府が資金を提供していたのだ。この支援が戦闘激化の大きな原因になったと見られている。

「テロとの戦争」のため、武装勢力はアメリカから毎月10万から15万ドルを得ていたというのだが、こうしたジョージ・W・ブッシュ政権のやり方をアメリカの情報機関関係者も批判している。ソマリアを不安定化させるだけだというわけだ。

ところが、今年6月に入るとアメリカの支援を受けた武装グループが首都モガディシュでの戦闘でイスラム勢力に負けてしまった。ソマリアの混乱を終わらせ、国際社会と正常な関係を築くことが自分たちの目的だとイスラム勢力側は主張しているのだが、アメリカ政府はソマリアがアル・カイダの避難場所になるのではないかと心配しているらしい。自分たちが1980年代に作り上げた「自由の戦士」、アル・カイダの影に怯えているのだろうか?

アメリカがソマリアに介入するのは今回が最初ではない。1990年代前半、自国の軍隊をソマリアに派遣していたのだが、1993年10月には武装勢力がアメリカ軍の戦闘ヘリ、ブラック・ホークを撃墜するという出来事があった。18名のアメリカ兵が戦死したこの戦闘を映画化したのが「ブラックホーク・ダウン」である。

当時、ソマリアにいたアメリカの軍人のひとりが特殊部隊出身のウィリアム・ボイキン。イラク侵攻作戦が始まった2003年に少将から中将に昇進、それと同時に国防副次官に就任し、イラクでの掃討作戦を指揮することになる。

キリスト教原理主義(福音主義派)の狂信的な信者、ボイキンがキリスト教会でカルト的な発言をしている様子をアメリカのネットワーク局NBCが2003年に放送している。ロサンゼルス・タイムズによると、演説の途中、彼は人々にモガディシュで撮影したという写真を見せながら、現像した後に奇妙な暗黒の印に気づいたと話したという。モガディシュにある「邪悪な存在、暗黒の使いルシフェルこそが倒すべき敵なのだと神は私に掲示されました」というわけだ。

イラクで血みどろの戦闘が続いているさなか、安定化したはずのアフガニスタンの雲行きも怪しくなってきた。首都カブールでアメリカ軍の車両が引き起こした交通事故が切っ掛けになり、5月下旬に反米暴動が起こり、アメリカ兵の発砲で7歳の子供を含む14名以上の市民が殺害されている。その前にはアフガニスタン南部の村をアメリカ軍が空爆、数十名の市民が殺されているが、こうした事件も暴動の遠因になっているかもしれない。そして、ソマリアも不安定な状況になってきた。

平和の時代に耐えられないアメリカ経済の構造を考えると、ブッシュ政権は意図的に世界を戦乱の時代に引きずり込もうとしているのではないか・・・そんな気もしてくる。「永久革命」をもじり、「永久戦争」と表現する人もいる。

今後、さらにイランや朝鮮半島で事を起こしたなら、アメリカは財政的に耐えられないだろう。現時点でも「日米同盟の強化」という名目で人的にも金銭的にも日本は大幅な負担増を求められているわけで、日本人にとっても人ごとではない。





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Last updated  2006/06/08 11:33:25 AM
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