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6月8日の日曜日、秋葉原で7名が殺害される事件が起こった。多くの負傷者も出ている。内外のマスコミが大きく取り上げているので内容を詳しく書く必要はないだろう。
無惨な事件であることは言うまでもないが、その原因を「個人の資質」だけに求めるのは危険である。犯人の性格が影響したとしても、その性格自体が殺意を生み出したわけではない。せいぜい、殺意を抑えきれなかったというだけのことである。事件の背景には殺意を何とか抑えている多くの「犯罪予備軍」がいるとも言えるだろう。殺意を産み出している根本的な原因に目を向けなければ、いつか、そうした殺意が一斉に解放されてしまう可能性がある。 個人の性格にしても、生まれ育った環境に大きく影響されるわけで、「個人の資質」で全て説明できるわけがないのだが、事件や事故が起こるとマスコミはその原因を「個人」に求めて社会状況には触れたがらない。社会状況にメスを入れれば、その時代の政策と向き合わざるをえなくなり、権力者と対峙することになる。つまりマスコミはスポンサーにとって都合の悪い話をしなければならなくなり、社員の生活を壊すことになりかねない。そんなことを彼らはしない。 今回の事件では、派遣先の関東自動車工業での「リストラ」が引き金だということを否定できないだろう。事件を引き起こした人物は昨年11月から同社の工場で働いていたのだが、派遣社員200名のうち150名をクビにすると今月2日に会社は発表していた。会社の都合で簡単に切り捨てられる派遣社員が怒りを持つのは当然のことである。 ただ、事件の犯人は誰に怒りを向けるべきなのか、どのように表現するべきなのかを理解できていなかった。だからこそ、「誰でもよかった」と言っているのだろう。おそらく、彼は誰に怒りをぶつけるべきなのかがわからなかった。殺人事件を起こしても問題は解決されないことを理解できていない。殺人事件の犯人を死刑にしても問題が解決されないのと同じことだ。事件の根を放置したままなら、同じようなことが繰り返される。 言うまでもなく、正社員なら簡単に解雇することはできない。非正社員の比率を高めることで大企業は儲けを増やし、経営者は法外な報酬を懐に入れてきた。つまり大企業やその経営者たちにとって、現在はカネ余りの状態だ。金持ち優遇税制も蓄財の後押しをしている。 そうしたカネの大半は決して庶民の世界には還流せず、例えば投機の世界に流れていく。その結果、原油や穀物の相場急騰の一因になる。石油相場の場合、イスラエルやネオコン(新保守)/シアコン(神保守)がイラン攻撃を叫んでいることも価格を押し上げる重要な要因になっている。穀物の場合は、アメリカ政府が打ち出した「バイオ燃料」政策が大きく影響しているのだが、マーケットへ大量の資金が流入しなければ、今のような高騰はなかっただろう。 秋葉原の殺傷事件と相場の高騰、関係ないように見えるだろうが、根は同じだ。その影には、他国へ押し込み強盗へ入ったり、自国で働く人びとに適切な対価を支払わずに富を独占している人間がいる。かつて、こうした「富豪」たちは「泥棒男爵」とも呼ばれていた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008/06/11 12:57:27 PM
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