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カテゴリ:読書
「ヒックとドラゴン」の原作読んでみました。
ヒックとドラゴン 1 伝説の怪物 / クレシッダ・コーウェル 【全集・双書】 原作っつっても、もちろん日本語訳なんすけどね。 長くなりそうなんで、【ネタバレなし】と【ネタバレ】と分けて書きます。 これはバラしたらいかんでしょ、というストーリーの核心については書かないようにしますが、【ネタバレなし】だからって全く内容を書かないわけにはいかんのです。 読む前になんにも知りたくないって方は、ご注意! (※ネタバレ感想の方はこちら→【ネタバレ】「ヒックとドラゴン」原作1〜11巻の感想/戦う一休さんをご覧ください) 全くネタバレなしで言うと、 とっつきはちょっと悪いけど、読み続けるほどに面白くなる冒険活劇もの、ハラハラドキドキ、主人公がまっすぐで読後感よし、冊数多いようで字が大きいからさくっと読めるのもGOOD、オススメ! あとは【ネタバレなし】に気をつけて書いていきます。 1巻から10巻までと外伝1冊を読みました。 (他にもドラゴン辞典とヒーロー手帳あるそうですが、未読) (※追記:11巻まで読んで、まだ終わってなかった! 12巻で完結? いつ発売だ?! 早くしてけれ!) 映画の「ヒックとドラゴン」を観て、なんとなく読み出しました。 かなり映画と違います。 なんというか、良くも悪くも「児童文学」って感じ。 なんしか、ダサい(^_^;) 翻訳のせいなんか、元々の原作がそうなんか。 例えばヒック達バイキングは、「モジャモジャ族」っていうのよ。 他にも「キリサキ族」とか「ヤジュウ族」とか出てきます。 ドラゴンの種族も「ヤツザキドラゴン」とか「モウドクドラゴン」とか「アクマドラゴン」とか。 まんまじゃん!(^_^;) あまりに「お子さま向け」じゃーあーりませんか(^_^;)。 この本の対象年齢はいくつなんでしょう。 いや、大人の私が読んであーだこーだ文句つけるのもやらしいんだけど、今時の子はこれで満足なんでしょうか。 映画では「ナイトフューリー」「モンスターナイトメア」ってかっちょいいじゃん、それでいいじゃん。 名前の意味なんてわかりにくくてもいいやん。 もっと俺に中二を!(^_^;) ドラゴンの名前は漢字で書いてカタカナでルビふってくれ! もちろん武器もな!(^_^;) さらに読んでてきついのは、ヒックはドラゴン語が話せるっていう設定なんだけど、その「ドラゴン語」がもろ「赤ちゃん言葉」。 マジなんすよこれ。 「ぷっぷ、めー」で「ウンチしちゃダメ」って、えー!(^_^;) やたらと下ネタっていうか小二ネタ多し。 映画のトゥースに相当するトゥースレスっていうドラゴンがですね、何かというと粗相するっていうんで下ネタばっかり。 育児マンガか。 ていうか、「育児」って本書のテーマの一つみたいよ。 映画と違って、トゥースレスは小さいドラゴンなの、服の中に隠れたり頭に乗ったりできるくらいの。 そしてイタズラ好きで、家具を壊したり、粗相したり、なのに口だけ達者。 やるこた幼児、さらに火を吹く(^_^;)。 サイアク(^_^;)。 でもヒックは(あんまり)怒らずに言い聞かせで世話する飼い主の鏡! そんな「児童文学」くささに目をつぶるとですね、体の小さいいじめられっ子が、知恵と勇気と友情で困難に立ち向かうっていう、すばらしい王道ストーリーが読めるんですよ! (てゆーか、児童文学読んどいて、児童文学くさいって怒るのがヤボなんす(^_^;)) ヒックは毎回、ドラゴンであったり悪い人間であったりに困難な状況に追い込まれるんだけど、毎回そうきたかっていう鮮やかな手口で乗り越えるのよ。 アイディア勝負! 知恵と勇気! そして友情! あきらめない! 字が大きい分展開早い、ダラダラせずに事件起きたと思ったらすぱっと解決! 気持ちいい!(*^_^*) 展開早い分、話の進み方がちょっと強引。 設定がふんわり(^_^;)。 重厚なハイファンタジー読みたい人には向いてないでしょうが、なんていうか、古き良き少年マンガのエッセンス的なものがぎゅっと詰まってると思えば、多少のアラは勢いで許してください(?)。 と言いつつ、「ヒックとドラゴン」に相当する古き良き少年マンガがあまり思いつかない(^_^;)。 「ダイの大冒険」かなあ。 最近なら「僕のヒーローアカデミア」も近いかも。 映画なら、もろ「グーニーズ」ですな!(海賊の財宝出るし) いじめられっこの逆転ストーリーとしてすばらしいのね。 なんといっても、いじめられっぷりがガチでひどい! 映画ではあっさり仲良くなったスノット、原作ではマジでひどいいじめっ子。 ジャイアンよりひどい!(^_^;) ジャイアンってのび太をいじめてるけど、別に他人やから、利害関係ないやん。 スノットは、長の息子であるヒックのいとこなの。 つまり、長の継承権争いがあるのよ。 強い俺が長を継ぐべき!で、かなり積極的にヒックを排除しようと画策してます。 直接手を下すまではいかないけど、バイキングだから自然が厳しいもんで、未必の故意=事故狙いのような(海の真ん中で船壊す的な)いじめばっかりで、シャレになりませんぜ! 死ぬよそれ! てとこまでひどい目にあったヒックが、それでも小さい体で知恵と勇気で戦うから感動するのよ。 映画は、ここらへんが生ぬるくて、悪い人いない世界過ぎて乗れなかったんよ〜。 小説はいじめの描写もそうだけど、けっこう人が死にそうなヤバい空気ある。 自然と社会の残酷さ。 (子どもにとっては、思い通りにならない環境という意味で、自然も社会もおんなじだわな) お父さんのバカさかげんひどい(^_^;)。 脳筋すぎて、話聞かねえ。 ひょろひょろのヒックは誰からもバカにされ、頭がいいのに周りにその価値観はないから、まともなこと言っても誰も信じない。 でもまっすぐなんだよヒックは! これだけバカにされても仲間を守ろうとするのだ! 1から11巻までの、最初のうちは一話完結でヒックが困難を解決、めでたしめでたしなんだけど、後半になるにつれて、えー!このあとどうなるのー!というクリフハンガーで「つづく」となります。 海外ドラマか! 少年ジャンプか! クライマックスばっかりのシリアス展開。 読むのが止められません。 「児童文学」ぽさにさえ目をつぶれば、間違いなく面白い冒険活劇ですよ! 続けて読むと、伏線(なんだか後付けなんだか)が活きてきて、これはここにつながるんかー、と感心することしきり。 ぜひ1巻から続けて読んでください! 後半怒涛のカタルシス! 各キャラがそれぞれ成長していく姿が見れます。 映画ドラえもん的なポケモン的な、毎回似たような冒険するシリーズかと思ったら、大河ものでありました。 人って変われるんだよ! 世界って自分の周りだけじゃないんだよ! この日常は当たり前のことじゃなくて、誰かの作った日常で、壊れることもある、でも「ぼく」はまた新しい日常を作ることができるんだよ! 少年が何かを成し遂げる話でした。 ええ話! ぜひ日本でマンガ化していただきたい。 ドラゴンの名前はぜひ漢字にカタカナルビで! P.S. ネーミングがなんだかなあと書きましたが、中の人が方針を変えたのか、翻訳家がネタ切れなのか、巻数も後半になると「○○ドラゴン系」は減ってきて、かっちょいい横文字(カタカナだけど)ネーミングが増えてきます。 でも「○○ドラゴン系」も引き続き登場するから、なんかチグハグやなあ(^_^;) 関連項目 【ネタバレ】「ヒックとドラゴン」 【ネタバレ】「ヒックとドラゴン2」の感想/お父さんテライケメン! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2019.08.03 10:57:39
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