●阿蘇に希望の湯湧く 内牧の旅館 7月再開へ
熊本県阿蘇市内牧の温泉旅館「阿蘇内牧温泉 蘇山郷」で,熊本地震後に湧出が止まっていた泉源の再掘削を進めたところ,温泉が自噴した。元の湯と温度や湧出量は変わらないという。地震以降は休業状態が続いているが,内装工事なども行った上で,7月16日に再オープンの予定である。
阿蘇温泉観光旅館協同組合によると,加盟21軒のうち内牧地区に泉源を持つ施設は14軒あり,うち5軒で温泉が出なくなっている。湯量が減少するなどの影響も5軒あるという。地下のパイプが地中で壊れたことが関係しているとみられる。
内牧温泉やその近郊では,地震後,使われなくなった古井戸から湯が湧き出たり,田んぼの中に温泉成分を含んだぬるま湯が染みだしたりするなどの異変が起きており,市民の日常生活にも影響を与えている。
阿蘇内牧温泉 蘇山郷では,停電が解消した4月19日にポンプで温泉をくみ上げようとしたところ,出なかった。建物にも一部被害があり,当面の休業を決定。6月1日に西側に20メートル離れた敷地で再掘削を始め,地下151メートルまで掘り進んだところで温泉が自噴してきたという。 湯は45度で毎分200リットル湧き出ており,従来とほぼ同じ。