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2008.07.02
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カテゴリ:昆虫(その他)


 先日紹介した「新接写システム」を使って、今花盛りのクチナシに集っているアザミウマを撮ってみた。このアザミウマは以前にも紹介しているので、「新システム」でどの程度解像力が上がったかを比較するには丁度良い被写体なのである。

 今日の写真は、先日のとはカメラ本体が異なり、横幅4672ピクセル(以前は3872ピクセル)のボディーで撮っているので、解像力が多少上がっている筈である。6番目の2頭一緒に写っている写真を除いて、何れも原画で横幅750ピクセル(表示は500ピクセルに縮小)、実際の長さにして約2.0mmである。写真を調整し終わってから見てみると、もう少し拡大した方が細部が明確になったと思うが、やり直すのがメンドーなので、そのままにしてしまった。


ハナアザミウマの雌1
クチナシの花に集るアザミウマ.全体的に暗褐色

ハナアザミウマの雌と思われる

(写真の拡大率は6番目を除いて全て同じ.横幅約2.0mm)

(2008/06/25)



 写真を撮っていてアレッと思ったのは、1種類だと思っていたアザミウマに3通りのタイプがあったことである。上に掲げた全身色が濃い褐色(頭部胸部がやや淡色の個体もある:下から2番目の写真)で大型のタイプが最も多く、下に示した色の薄く小型のものは全体の1/5かそれ以下である。他に中ぐらいの大きさで全体的に色が少し薄い個体(5番目の写真)も居たが数は少ない。

アザミウマの雄1
雄の個体.雌と較べるとずっと小さい.下の写真とは少し異なる

どちらかがハナアザミウマの雄であろう(2008/06/25)



 以前掲載したアザミウマの写真は、顕微鏡写真の様な感じで平面的な像になっているが、新システムでは普通の写真の様に立体感が出ている。触角の1つひとつの節や、毛の生え方もかなり良く分かる。残念ながら、毛の生え方は、掲載した写真では倍率が不足でやや不明瞭だが、原画をピクセル等倍に拡大するともう少しはっきり見える。

アザミウマの雄2
同じく雄.上の個体よりもかなり小さい(2008/06/25)



 これだけ詳細が分かると、巧く行けば、このアザミウマの種類が判別出来るかも知れない、と言う気になる。すっかり忘れていたが、1年ほど前に「農作物のアザミウマ」と言う本を買ってあった。これには26種のアザミウマ(クダアザミウマ科7種、アザミウマ科19種)についての詳細な記述がある。この本に拠ると、クチナシに寄生するアザミウマとして、クロトンアザミウマ、チャノキイロアザミウマ、ハナアザミウマ、ヒラズハナアザミウマの4種が挙げられている。この内、前2者は全く異なる外観をしており、明らかに写真のアザミウマとは異なる。残るは、ハナアザミウマとヒラズハナアザミウマの2種である。

ハナアザミウマの雌2
真横から見たハナアザミウマの雌(2008/06/25)



 この2種は、外見的には非常によく似ている。しかし、ヒラズハナは単眼域に長い刺毛が一対、前胸背板の前縁と後縁の双方に長い刺毛を持つのに対し、ハナでは単眼域に2対、前胸背板の後縁のみに長刺毛を持つ。横から見た写真(上)を見ると、単眼域には2対の長刺毛があり、また、前胸背板の前縁には長い刺毛は認められない。これは、ハナアザミウマの特徴と一致している。

 九州大学の「日本産昆虫目録データベース」には、アザミウマ科だけで176種が登録されている。これに対し、「農作物のアザミウマ」に載っているアザミウマ科はたったの19種。しかし、このクチナシに毎年集るアザミウマは極く普通種であろうし、濃色型と淡色型(下から2番目の写真:頭部胸部が淡色)の2型あること、「本種(ハナアザミウマ)は各種の花卉からも発見されるが、その被害の実態については不詳である」と書かれていることなどから、少なくとも色の濃い大型の雌は、ハナアザミウマとして良いのではないだろうか。

アザミウマの雌
やや淡色で小型のアザミウマ.ハナアザミウマではない可能性が高い(2008/06/25)



 しかし、上に示したやや小さく色も少し淡色の個体は、横から撮った写真がないので、何だか良く分からない。ヒラズハナアザミウマかも知れないが、文献に拠ればヒラズハナの方が一般に大きいとされている。

 小型の色の薄い個体は、アザミウマの雄である。アザミウマの雄は常に雌よりも淡色で小型の様である。雄の形態については詳しい記述がないので何とも言えないが、多分ハナアザミウマの雄であろう。しかし、2枚の写真を較べると、大きさや触角の色に差異がある。或いは、ヒラズハナその他の雄が混じっているのかも知れない。


ハナアザミウマの雌3
踊るハナアザミウマの雌.頭部胸部が淡色(2008/06/25)



 ところで、このアザミウマの雌は、時々妙な踊りをする。腹部をくねらせてフラダンスの様な踊りをするのである。忙しく歩き回って居たかと思うと、突然止まって踊り始める。暫くすると、また走り回る。この繰り返しである。

 雄が求愛行動として踊るのなら分かるが、雌が何故この様な行動をとるのか全く不可解である。

ハナアザミウマの雌4
同じく、踊るハナアザミウマの雌.翅がよく見える(2008/06/25)



 今日の写真は、真っ白に近いクチナシの花を背景にしているので、カブリを生じてやや鮮鋭度が落ちている感じがする。被写体によっては、もう少しカチッとした写真が撮れるのではないだろうか。







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最終更新日  2008.07.02 14:38:27
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