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2008.07.25
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 まだ冷たい雨が降っていた頃の話である。クロヒラタアブに一見似たアブがホトトギスの葉先に留まっていた。

 このアブ、普段は矢鱈に敏感で、今まで写真を撮ることが出来なかった。それが、何故か、触る程に近づいても逃げようとはしない。屹度、寒さで凍えているのであろう。ストロボの光に驚いて、葉の上でウロウロするが、飛ぶことは出来ない様であった。


ハイジマハナアブの1種1
ハイジマハナアブの1種.背中に青白い縦筋が2本ある

体長約8mm、後脚の腿節と脛節は太い(2008/05/30)



 このアブ、見かけは一寸クロヒラタアブに似ているのだが、行動は全く異なる。地面に掘った巣に帰るヒメハナバチの様に、草むらの下側を左右に大きくブレながら飛び回る。

 留まるときは常に翅を畳んでしまうので、腹部の模様がよく見えない。横から見ると、クロヒラタの様な白黒の段々模様に見える。

ハイジマハナアブの1種2
横から見ると、腹部は白黒の段々模様に見える(2008/05/30)



 写真を見ると、背中に青白い縦筋が2本あり、後脚の腿節、脛節はやけに太い。背側から見た頭部の形もヒラタアブとは違うし、前から見ると顔の大半が複眼で占められている。一体何であろうか。

 例によって「ハナアブ写真集」の御世話になる。ページを順に辿って行くと、ハイジマハナアブ(マドヒラタアブ属:Eumerus)の1種であることが判明した。腹部の模様は、横から見て推測される白黒の段々模様ではなく、白帯(青白い)は中央で切れており、しかも少し傾斜しているので、背面から見ると「八」の字を並べた様な図柄になっていた。

 この属には20種近くが所属するが、よく似たものが多く、とても写真から種を判別することなど出来ない。まだ、学名の定まっていない種が幾つもあるところを見ると、まだ、研究が充分進んでいない様である。例によって、「ハイジマハナアブの1種」とするしかない。

ハイジマハナアブの1種3
ハイジマハナアブの顔.複眼の占める面積が大きい(2008/05/30)



 クロヒラタアブはハナアブ科ヒラタアブ亜科ヒラタアブ族に属すが、ハイジマハナアブはハナアブ科ナミハナアブ亜科マドヒラタアブ族に属す。科は同じでも、かなり遠縁である。

 幼虫の食性も全く異なり、クロヒラタアブの幼虫はアブラムシを食べる「益虫」だが、マドヒラタアブ類はタマネギなどの鱗茎を食害する「害虫」である。

ハイジマハナアブの1種
寒さで凍えるハイジマハナアブの1種(2008/05/30)



 写真を撮った後、天気は回復し気温も上がった。暫くして、アブの方を見てみると、何処かへ飛んでいったらしく、その姿はもう見えなかった。







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最終更新日  2008.07.25 10:31:38
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