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2008.10.17
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カテゴリ:昆虫(ハチ)


 毎年晩夏から秋になると、黄と黒と茶色の大きなハチが姿を現す。我が家の大敵ネキリムシを食べて育ったハラナガツチバチ(ツチバチ科)の仲間である。

 数も多いし姿も悪くないのだが、この仲間でこれまでに紹介したのは全身殆どまっ黒で第3腹背板に黄色斑をもつキオビツチバチだけであった。何故かと言うと、今までこの黄、黒、茶色のツチバチの分類に自信がなかったのである。

 この辺りに居る可能性があるのは、何も形容の付かない只のハラナガツチバチ(シロオビハラナガツチバチ)、オオハラナガ(以下「ツチバチ」を省略)、キンケハナラガとヒメハラナガの4種の様で、その区別が何ともハッキリしなかったのである。今年の冬に、改訂された北隆館の圖鑑を購入して、漸く種の判別が出来る様になった。


キンケハラナガツチバチ(雌)1
キンケハラナガツチバチの背面.翅が少し曇っている

(2008/10/10)



 今日紹介するのは、キンケハラナガツチバチの雌である。ハラナガツチバチ類は雄と雌で非常に外見が違うので雌雄を別々に紹介することにした。

 キンケは頭部と胸部背面に褐色の長毛があり、腹部ではやや色薄く、腹部の第1~4節の後縁に白っぽい毛帯がある。オオハラナガでは、この腹部の毛帯が第1~3節の3本しかないので、区別は容易である。

キンケハラナガツチバチ(雌)2
上と同じ個体.後肢脛節に泥が付いているところを見ると

羽化後間もないのかも知れない。花には行かずジッとしていた

(2008/10/10)



 只のハラナガはどうかと言うと、この腹部の2~4背板の後縁に毛帯ばかりでなく、雄バチの様な白色の帯状紋がある。この白色紋は毛帯の下に隠れて見難いが、出現の時期が他とは異なり春から夏にかけてなので、この時期に見ることはないらしい。

 ヒメハラナガは全体に毛が白っぽい。胸部背面(中胸背板)の長毛はキンケとは異なりずっと疎らである。また、キンケの翅は褐色を帯びているが、ヒメの翅は透明に近く先端に明確な暗色斑がある。

 これで何とかこの4種の雌を区別することが出来る。なお、雄の判別はこれとは全く別物である。

キンケハラナガツチバチ(雌)3
同じ個体の頭胸部.複眼が腎臓形をしている

(2008/10/10)



 これで分かったことは、この辺りにはオオハラナガは全く居らず、ヒメハラナガも住宅地で見ることは少なく、殆どは、このキンケハラナガだけだと言うことである。晩春に現れた只のハラナガらしき個体を今年撮ったが、腹部の白色紋は毛帯に隠れて良く分からなかった。これは来年の課題である。

キンケハラナガツチバチ(雌)4
笑っている様にも見える.大顎が見るからに強力そう

これで地面に穴を掘るのだろうか?.上とは別個体

(2008/10/12)



 キンケは黒い体に褐色の密毛を生やし頑丈そうである。かなり厳つい体付きだが、性格は非常に温和しい。これまでにハラナガツチバチ類に刺されたと言う人を知らない。写真を撮るときには、留まっている花をひっくり返したりすることもあるが、刺される可能性なんぞ、考えたこともない。コマルハナバチと同じで、掌の中に入れても多分刺さないだろうと思う。

キンケハラナガツチバチ(雌)5
セイタカアワダチソウにやって来たキンケの雌

(2008/10/10)



 キンケに限らずハラナガツチバチの仲間は、キク科の花が好きである。しかし先日、面白いことを発見した。「北米原産シオンの1種」には雌雄共に来るが、セイタカアワダチソウには殆ど雌しか来ない。雄も全く来ない訳ではないが、非常に少ない。

 考えてみると、雄は自分の体力さえ維持すればよいのだから、エネルギー源になる花蜜だけを探せばよい。しかし、雌の方は卵を成熟させるために多量の蛋白質を必要としている。恐らく、セイタカアワダチソウの花には花粉(蛋白質に富んでいる)は沢山あるが、花蜜は少ないのであろう。

キンケハラナガツチバチ(雌)6
「北米原産シオンの1種」の上を歩き回るキンケの雌

(2006/10/20)



 最後の写真は一昨年に撮ったものである。実は、一昨年撮ったハラナガツチバチ類の写真が画像倉庫の中にゴマンとある。勿体ないので、キンケの雄を紹介するときには、この倉庫の写真を大いに活用するつもりである。







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最終更新日  2008.10.17 07:38:54
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