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2018.11.03
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はい。頼まれた原稿、草稿は一応、ラストまで打ちました。ここから推敲です。
これは大変な問題です。
完全に教育がバカにされていると思います。

放射線副読本の配布から見えてくる教育の危機             長澤靖浩

 「放射線副読本」再改訂版が中学校で配布されている。という連絡が元同僚からあった。「以前に初版が出たとき、君はその問題点を指摘して、職員会議で配布に反対していたよね。どこにどんな問題があるか、知りたいから教えてくれ」と言うのである。彼は仕事帰りにその冊子を私に届け「今度また問題点を聴きにくる」と言って置いていった。私は病気で「国語」の教員を早期退職した人間である。放射能についての専門家でも何でもない。だが、自分自身が枚方市の中学生のときに理科の先生から「プルトニウムの放射能の半減期は24000年です。そんなものを人間が管理できるわけはないってわかるでしょ」と聞いてから、ずっと「反原発」である。「うーん。じゃあ、なるべく調べとく」と答えた。現職教員は土日もクラブで突然学校に届いた「副読本」の問題点を調べるような時間などない。自分の役回りかという気もした。
 結論からいうと、ネット検索したり、集会に出たりして、調べるほどに、予想外に大きな問題が芋づる式に見えてきた。現時点でわかってきたことをとりあえずまとめてみたい。
 まず放射線副読本それ自体に嘘やトリックが含まれている。たとえば日本の水や食料の放射線の基準は世界でも最も厳しいという表がある。が、この表は日本の平時の基準と、諸外国の緊急時の基準を何の断りもなく、横並びに掲載し、日本の基準は厳しいと強弁するものである。図表にトリックを忍ばせ、それを元に教育することや学校という「権威ある機関」から配布することは、大変悪質なデマゴギーの伝播と言わなければならない。
 また自然界にも放射性物質はあるとして、過剰に恐れることはないという結論に導こうとしている。が、本来なかったはずの不当な被曝が事故の加害責任として問題にされるべきだという視点がすっぽり抜け落ちている。
 また自然界の放射性物質は非常に特殊なものだったり、あるいは比較的ありふれた放射性カリウムの場合は代謝や崩壊が早い。つまり自然界の放射性物質は現存する地球上の生物にとって生体濃縮が起こらず、殆ど問題にならないのである。そのような正確な知識を飛ばして、人工の放射性物質と自然界の放射性物質を同列に扱い、ありふれたものであり安全であるという「印象」へと操作しようとするのは悪質である。
 このように「放射線副読本」には数多くの嘘やトリックが含まれている。挙げていけばきりがない。このことはそれだけでも大問題である。
 しかし、副読本の背景を見るとき、その配布がどのように恐ろしい政治的意図に基づくものなのかが、見えてくる。実はそのことこそ、今回の「国家プロジェクト」の最も恐ろしい点なのである。以下、「国家戦略」の全体像を検討していこう。
 「放射線副読本」作成の根元にあるのは、復興庁作成の文書「風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略」である。この文書は、原発事故の被害状況や対策を検討するというものではない。「今なお、風評被害や偏見・差別が残っている」「それを払拭するために放射線に対する『正しい知識』を周知しなければならない」という発想を出発点としている。この場合の「正しい知識」とは、放射線はそれほど恐れる必要がなく、事故は収束に向かっているという「虚偽」である。
 そもそもの出発点において「被害」を「風評」と呼び換え、それを払拭するためには、「知ってもらう」「来てもらう」「食べてもらう」ことが必要であるという柱を立てている。
 教育関係者として特筆するべきは、たとえば「知ってもらう」の項で放射線の「安全性」について「伝えるべき対象」として、①児童生徒および教育関係者②妊産婦並びに乳幼児及び児童生徒の保護者③広く国民一般とされている点である。いわば、「学校」が第一のターゲットとされている事が目を引く。
 「来てもらう」に関しても、伝えるべき対象の①が教師、PTA関係者、旅行業者となっている。修学旅行や校外学習の旅行先とするよう、やはり「学校」が第一のターゲットとされていることがあからさまである。
 そしてこの「風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略」に基づいて、関係行政機関における情報発信モデルとして作成されたものが、「放射線のホント」である。推定約5000部、行政機関等に配布されたものと思われる。この文書も必然的に被害の実態を正確に認識し対処しようというものではなく、「風評被害は復興の現状等の周知不足から来る」というところから出発している。
 さらにこの「強化戦略」「放射線のホント」を踏まえて、具体的にわが国の隅々に「放射線の安全」「福島の復興」を宣伝しようとするものが「放射線副読本」なのである。これには、小学生版、中高校生版があり、2億円以上の予算をかけて、日本の殆どすべての小中高生に配布される計画である。
 つまり、「放射線副読本」は初めから、学問教育上の要請から真実を求めて作成された、本来の意味での「教材」ではない。「教材」という形をとってはいるが、その実態は、国の「安全宣伝」「復興宣伝」という政治戦略に則った虚偽の宣伝媒体なのである。その際「風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略」「放射線のホント」「放射線副読本」は国の戦略として一体化しているものとして捉えることが重要である。しかもその国の戦略の最大のターゲットは児童生徒、教育関係者であり、「くみやすき(語源的には与し易い)対象」(コントロールしやすく利便性のある恐れるに足りぬ対象)として、意図的に狙い撃ちされていると言わねばならない。
 今回の「放射線副読本」配布の問題の根源はそこにある。もし、これがそのまま通ってしまうようならば、「くみやすき対象」としての学校教育および教育関係者は、ますますきな臭くなっていく時代の流れにおいて、再び大きな犯罪の一端を担うことになるだろうと警告するのは、私の単なる杞憂とは、どうしても思えないのである。






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Last updated  2018.11.03 19:38:40
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