キーボード評価大会
社内のデスクトップパソコンを全部大型ノートへと変更を進めている。大型ノートの場合、設置スペースの少なさが魅力ではあるが、その反面キーボードを操作するときの姿勢が固定されてしまうので疲労の大きな要因となってしまう。問題の緩和には外付けキーボードが有効だ。そこで、外付けキーボードを評価するため、いくつか集めてみた:1.ダイヤテック Majestouch Wireless FTBT108M/NBBluetooth のワイヤレスキーボード。タッチもよく、なによりワイヤレスなので配線がウザクないところが良いが、一定時間経過すると勝手にパワーオフになるパワーセーブ機能がくせ者である。パワーセーブが働いてもそのことを表すインジケーターがどこにもないので、キーをたたいてタイムラグが発生する時点で初めてそのモードに入っていることに気づくということが多々あり(2秒ほどで復帰する)、こういうモーダルなキーボードにはいらっとさせられることが多い。キーボードに付属の専用bluetoothアダプタ以外のものを使うと特にこの問題が顕著なようだが、このアダプタのLEDがものすごく明るい青い光でちかちか点滅してものすごく気が散るのである。あと、打鍵音が結構うるさい。厚みが少々あるので、ハンドレストは必須。ヨドバシ価格14,800円2.ダイヤテック Excellio Black FKB109BXJBUSB の一般的キーボード。静かなのはいいが、キーが少々重い。薄いので、パームレストなしでも無理なく使える。ヨドバシ価格7,980円3.東プレ Realforce 108UH SA0100108配列の日本語キーボード。キータッチには定評がある。キーは少々軽い気がするし、打鍵音が少々うるさいのだが、いったん使うと手放せない快適なキーボード。高速打鍵しても取りこぼしが全く発生しないのはさすが。厚みが少々あるので、ハンドレストは必須。ヨドバシ価格20,800円4.東プレ Realforce 91UBK NG01B091配列の日本語キーボード。上記の108キーボードと長所も短所も同じ。こちらはテンキー部分がばっさり削られているので、テンキーの必要ない人にはこちらの方がいいだろう。厚みが少々あるので、ハンドレストは必須。つや消しの本体とレーザー刻印のキートップがすてき。ヨドバシ価格19,500円5.PFU Happy Hacking Keyboard Lite2 PD-KB210B/UHappy Hacking Keyboard の廉価版。小さいのが魅力。コントロールキーが"A"のすぐ左隣にあり、一見してUNIX向きキーボードであることがわかる。タッチも非常にいいのだが、ファンクションキーは FN キーと数字キーを同時押しする必要があるので、結構いらいらする。道具というのは極力モードレスにすべきではないかと私は思う。厚みが少々あるので、ハンドレストは必須。ヨドバシ価格 6,300円6.エレコム USB小型キーボード小さいだけが取り柄のキーボード。それ以外たいしていいところはない。後述するが、矢印キー部分が独立していないので、すごく使いにくい。価格は忘れたが2,000円くらいだった気がする。7.オウルテック OWL-KB86UMUSBの小型キーボードながら、押さえるべきところは押さえている。小型ながら矢印キーがほかのキーとは離されて配置されていたり、ファンクションキー、特殊キーは上段に小さく集められており、よくわかっているなと言う印象。これもテンキー部分がばっさりとない。ヨドバシ価格4,980円。~~~総合的に見て、やはり東プレのRealforce 108もしくは91が最良のキーボードだという結論に達した。特に91におけるテンキーの切り落とし方は、よくわかっているなと言う印象で非常に美しい。majestouch wireless は省電力モードと専用bluetoothの光がじゃまだ。happy hacking keyboard は fn キーがじゃま。エレコムの小型キーボードは配列に無理がありすぎる。Excellio と Owltech は特に問題がないので、値段を重視するならこちらでも特に問題はないと思う。テンキーの有無は好きずきで。~~~番外編として、かつて IBM から発売されていた PS/2 規格の Space Saver Keyuboard II に触れたい。これは非常によいキーボードだった。PS/2->USB 変換アダプタを使ってUSB に適合させるとどうしてもレスポンスが悪いので、USB全盛の今日では使いづらいのだが、未だにこのキーボードが好きな人も結構多いと思う。それが USB 対応したバージョンが現在発売されているが、タッチも悪く、取りこぼしも多い粗悪な製品なので決して手を出すべきではないと思う。よく似たイメージだけど全くの別物なので要注意。名前も "トラベルキーボード" であって、決して "スペースセーバーキーボード"ではないのがミソ。~~~矢印キーの取り扱いについては各社のセンスが出るところだ。矢印キーをほかのキーと離していないキーボードは、本当に全くキーボードのことがわかってないと思うし、またキーの右端に home, pg down 等の機能キーを配置しているキーボードは最悪だと思う。キーボードの右端には BS, Enter, Shift, Ctrl 以外のキーが来てはならないのだ。~~~さて、一方キーボードを外付けにすると困るのがスペースの問題。せっかくキーが打ちやすくなっても場所取りは困る。なので、パソコンを持ち上げる台を探した。一つはフォーカルポイントコンピュータの elevator。見た目からもわかるように mac 系の周辺機器だ。すっきりしているのに終息製品との噂もあり、それがもしほんとなら残念。もう一つはサンワサプライのCR-35。やはりサンワサプライの製品はデザインがややもっさりした印象は否めないが、背面にケーブル類を隠すくぼみがあるのがなかなか魅力的である。これらのパソコンリフター的なものをおいていると、机の上で書き物をするときに一時的にキーボードをパソコンの下にしまえたりして実に便利である。~~~Bluetooth 周辺機器を買うと、たいていは bluetooth のレシーバーが付いてきたりするが、それが付いてこない場合や、でかすぎてウザイなんて場合には、ダイヤテックのこの超小型Bluetoothレシーバーがいいと思う。今まで使っていると、本体側キーボードが急にオートリピートモードになったり、なんか妙な動作をするときがあるが、おおむね良好である。~~~もう一つ、キーボードの手前側が断崖絶壁みたいに切り立ってる厚みのあるタイプだと、ハンドレストなしに使うと手・腕・肩が疲れてくる。症状の緩和にはパームレストというのかハンドレストというのかリストレストというのか名称は不明瞭だが、手を置くパッドみたいなのがあると有効だ。普通にウレタンをすかっと長方形に切っただけのパッドでも問題ないとは思うのだが、最近はジェル入りとか低反発素材が流行のようだ。写真はエレコムの MOH-012BK だが、これはちょっと厚すぎる気がする。~~~最後にと、こうやっていろいろと評価してみてきたのだが、コンピュータマニアでない人には、そんなに凝ったキーボード渡さなくても三千円くらいでもあんまり違いがわからないかもしれないという意外な結論になって、意外と言うよりはちょっと考えたらわかってたんじゃね?と自分自身につっこまれながら終わり。