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テーマ:ニュース(99693)
カテゴリ:格差社会
最近スキルという言葉をよくきく。
格差とか貧困とかという前にスキルをみがくべきではないかという論法である。 ニートやフリーターを本人の勤労意識や親の甘やかしのせいにするように、このスキルという議論も結局はそんな自己責任論の延長にある。 ワーキングプアも貧困も「スキル」をみがかなかった本人の責任といいたいのであろう。 古い概念もカタカナにすると目新しく聞こえるというのはよくあるのだが、いったいこのスキルというのは何を意味しているのだろうか。 転職があたりまえという労働流動性の高い社会なら、どこの会社で何を担当していたというのが次の職探しで評価される。 しかし日本の場合には、会社を辞めたことやフリーターの経歴自体がマイナスの評価を受ける社会である。 その意味で日本はやっぱり強固な「終身雇用社会」であるともいえよう。 ※ 「休みたければ会社を辞めればよい」といった財界人がいたが、大変なのは非正規雇用者ばかりでない。 正規雇用者だって、正規雇用であるために、有給休暇も使えず、サービス残業にも応じざるをえない実態がある。 そうした意味で、貧困の温床になっている非正規雇用と過労死に至るような過酷な勤務が課せられている正規雇用の問題は、まさに車の両輪であろう。 ※ もしこのスキルというのが、傑出した組織運営能力や営業力、高度な技術者の専門知識をいうのなら、多くの人にとってそんなスキルは無縁だし、努力しても得られるものでもあるまい。 なんか本当に少数の「勝ち組」とか「セレブ」とかいう人以外が幸福になれない社会って、やはり間違っているのではないのだろうか。 ところで朝生で「スキル」を連呼していたという某議員。 経歴をみると二世議員みたいだけど、御本人にはいったいどれほどの「スキル」があるのだろうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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