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テーマ:政治について(19875)
カテゴリ:格差社会
昨日の毎日新聞夕刊に蟹工船ブームについての中曽根総理の発言が掲載されていた。
以下のような発言である。 「ブームらしいね。フリーターなんかの境涯におる青年たちだろうね。全共闘みたいに反政府運動を起こす力はないが、心に時代や世の中に対する不満がうずまいておる。『蟹工船』を読むことで、仲間意識を持ち、癒やされるかもしれないな。これは自民党も民主党もない、政治家は考えないといかんよ」 http://mainichi.jp/select/wadai/news/20080606dde012040017000c.html 政治家は考えないといかんよの部分はそのとおりなのだが、「反政府運動をする力がないが読むことで仲間意識を持ち癒される」という部分にはちょっとひっかかる。 「蟹工船の惨状に比べれば今の貧困層はマシ」なんていうすっとぼけたことをぬかしている評論家よりはずっとまともなのだが、すぐに全共闘だの反政府運動だのを持ち出す感覚はいかにも古い。 今の時代、反政府運動などしなくても世の中は動く。民主国家だし、こればかりは後戻りできない。投票で政権だって変わる。何度も書いたけど、ネパールでだって選挙で王制が廃止され共産主義政権ができたことは中曽根氏も知らないわけではあるまい。 それに今の時代、政治活動はデモや集会だけではない。 ネットが登場して、一人ひとりの自発的な思いが発信できるようになったこと。 これも後戻りできない現実である。 そして、一人ひとりが思いを発信し、それが大きな流れになれば社会は変わる。 きっと変わっていく。 ※ 思えばオバマブームもネットで始まったものであり、当初はヒラリーこそが不動の有力候補とみられていた。 広がる格差や貧困に多くの人が他人事ではない危機感を感じている。それなのに政治家や御用学者はあいも変わらず、貧困は自己責任だといわんばかりの発言を繰り返している。財界人にいたっては「日本の貧困はアフリカよりマシ」なんていう人もいるくらいだ。 それをいうならネパールだって今世紀初頭のロシアだって、アフリカよりもましだっただろう。 蟹工船ブームは、貧困や格差の問題が、自己責任などではなく、人間らしく暮らせない社会のあり方自体の方に問題があるのではないかと問いかけるきっかけになったのではないか。 ※ 今後、おそらくこうした思いを受け止める政治勢力が大ブレークする。 それは多喜二の党とは限らないが、とにかく、ワーキングプアやフリーターとの連帯を実感させ、ネットをうまく使い、貧困や労働環境の問題に焦点をしぼって訴えかける政治勢力であることは間違いない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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