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2010年03月07日
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時は20××年。場所はトーキョー。東京と言ってもかつての繁栄していた経済大国日本の首都東京ではない。いたるところにぺんぺん草のはえた駐車場とさび付いたシャッターの旧小売店や割れたガラス窓の空き室ビルばかりがめだつうらぶれた街だ。今はすっかり見慣れた光景となったホームレスが便臭をまきちらしながらよたよたと歩いているのにまじって、その何倍かの数の老人達がまけずによたよたと歩いている。

今や元気のいいのは外国人ばかりだ。顔は日本人とそう違わないのに遠くから見ただけでもすぐわかる。何しろ元気や活力が違う。移住者の多い地域は活気にあふれ、今では彼らが日本の経済、そして政治も牛耳りつつある。
「そうだよね。かつて東南アジアで起こったことが今の日本に起きているだけのことなんだから。」七詩老人はそっとつぶやく。多産、商才、親族の強い結束、そして同化を拒む文化的凝集力。たぶん世界のどんな奴らも「あの民族」には勝てやしない。
いったいどうしてこうなったのだろうか。

ぼんやりと過去を回想する。貧困の問題が社会に忍び寄ってきた頃、声高に語られたのは自己責任論だった。格差は活力…そんなことをいっていた政治家もいたようだ。生活保護受給者が200万を超えたのはあの頃だったっけ、それともその後だったっけ。どうでもよい。とにかく生活保護受給者が200万を超えてから後の困窮者の増加はほとんど等比級数的だった。
もともと不安定雇用者や無業者の多いロスジェネ世代の親が高齢化するとともに、親子ともに要保護者となる例が急増したからだ。
そしてその後には新ロスジェネ世代も続いた。
貧すれば鈍すという言葉どおりに貧困者が増えれば文化もだめになる。
その昔、日本の漫画やアニメは世界を席巻したらしいけど、若者無宿のたまり場と化したネットカフェからはそんな文化が生まれるわけもない。
貧しさが一般化すれば「勝ち組」などもいなくなる。
どうしようもない時以外は病院に行く人もいなくなったので病院の倒産があいついだ。
紛争となるほどの大金もなく、また、相談料や顧問料も惜しいので法律事務所もなりたたなくなる。小説や音楽などの文化を創出して生計をたてられる人も激減した。
もちろん結婚して子供を持てるほどの余裕のある人も少数派となったため、少子化はさらにすすみ、今では街で「日本人の子供」をみかけること自体が少なくなっている。

貧困の拡大をくいとめていればこうはならなかったのかもしれない。
七詩老人は思う。
でも貧困層の望むような施策、過酷な長期間労働や人間をモノのように扱う人材派遣業の規制、そんなものはできなかったのだ。
小選挙区制の強化と議員定数の削減で、財界の意をうけた二大政党制が半永久的に定着してしまったため、そうした施策を唱える政治勢力は中央政界から追放されてしまった。
かわりにでてきたのは財界の望む政策ばかり。
過労死はますます大きな社会問題となったのにこれに対する対策はゼロ。人材派遣業は野放しで、最低賃金も低いままなのでワーキングプアは激増して、残業の少ない正社員というだけでエリート視されるような状況だ。そして財界の意向を受け、外国人労働者にもどんどん門戸を開いたので、移民も激増し、今や経済や政治の中枢も彼らなしではなりたたなくなってしまった。そういえばあの外国人参政権も外国人流入策の一環だったようだ。

七詩老人は畑仕事の手をやすめ、ひさしぶりに街にいってみようと思う。
年金では足りないので七詩も多くの人と同様家庭菜園で食を補っている。
もちろん畑窃盗を防ぐための塀付きの農園である。
街に行くと、駅近くでは外国人の宗教団体が日本人のホームレスに給食サービスを行っている。外国人といったって日本人と顔立ちはそう違わない。19世紀や20世紀には日本の国力の方が彼らを凌駕していたなんていっても、今の若い人はきっと信じられないだろう。七詩老人はそんな感慨にもふけったりする。
有名な古刹が近くにあるせいか外国人の観光客も多い。
そんな彼らに、愛想よく外国語で応対する店員達。
ふと七詩老人は、向こうから姪っ子のよみひとしらずがやって来るのに気づく。
「しらずちゃん、偶然だね。こんなところであうのは。」
「ええ、この間、お世話になった人になんか送ろうと思ってね。」
「そういえば、アメリカに行ってきたんだってね。」
「そうよ。でもあたまにきちゃう。私は日本人だよっていうとね…『えっ、日本なんて国まだあったの?』なんていうんだから。ひどいでしょ。だからいってやったのよ。19世紀アジアで唯一近代化に成功した国は日本なんだよってね。」





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最終更新日  2010年03月07日 14時17分19秒
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