|
テーマ:最近観た映画。(39187)
カテゴリ:カテゴリ未分類
映画「三度目の殺人」を見た。
いい映画なのだが、解釈の幅が広く、娯楽性を期待する場合にはお勧めしない。 真相がわかり、悪い奴が捕まってせいせいする…という映画ではないのだから。 殺人事件の被告人と弁護士を主人公にしているが、被告人の言っていることは変わり、真相にはなかなかたどりつけない。刑事裁判は真相を明らかにする場とされ、そのために種々の手続きが整備されているのだが、真相と異なる形で終結する事件もかなりあるのではないか。 こう主張した方が刑が軽くなる、こう主張すれば無罪判決や執行猶予が勝ち取れるという発想で真実は二の次にして奔走する弁護士もいるかもしれないし、逆に検事は訴訟の進行につれ個人的には当初の起訴事実に疑問を持っても、とにかく求刑通りの判決を得るために必死になる。ゲームのように訴訟が進められていくうちに、いつしか真実は置いてきぼりになる。世の中にはそういうことが案外多いような気がする。実際は冤罪であっても素直に認め反省の意を示した方が刑が軽くなる、証人がいてもその証言が社会的、現実的な不利益をもたらす場合には証言をさける。冤罪や真実と異なったまま確定した裁判は報道されているよりも、ずっと多いのかもしれない。 記憶にある中で不可解な終わり方をした事件としては次のようなものがある。 厚生省の元次官夫妻が殺害された事件。犯人は昔飼っていた犬が保健所で殺処分された恨みだというが、こんな動機を信じる人がいるのだろうか。いったい本当の動機はなんだったのだろうか。 そしてまた、中目黒の住宅地で住人が宅配を装った男に殺害された事件。犯人は福島から上京し、目についた家を狙ったという。映像で見る限り、たしかに遊歩道の目立つところの一軒家であるが、どんな住民がいるかもしらずにいきなり襲うのだろうか。その家には老夫婦しかいなかったのであるが、やはりそうした事情を知っていて狙ったとしか思えない。 最近犯人が逮捕された茨城県の女子大生殺人もわからない。外国人によるゆきずりの犯行になりそうであるが、被害者は男友達と一緒にいて、彼が仮眠している間に書置きを残して深夜外出している。いったいなんのために深夜一人で出ていったのだろうか。これも、永久にわからないままなのかもしれない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|