この間チャンネルを回していたら、樹木希林の最後のインタビューをやっていた。
聞き流していたので、もしかしたら間違っているのかもしれないが、「万引き家族」で当初は樹木希林の演じる老女が金を貰いにいくのは実の息子という設定だったのが、彼女の意見で離婚した夫が後妻との間にもうけた息子という設定に変わったという。これにより、樹木希林演ずる老女も、自分では家族を持てなかったという設定になり、それぞれ家族から締め出されたもの同士が犯罪だけでつながっていくという映画の世界がよりはっきりしたように思う。そしてまた、年金詐欺、幼児虐待だけでなく、不出来な子供を「いないこと」にしている中流家庭や、少女を商品にする風俗業態など、今日の様々な社会の断面を提示することができた。老女に金を渡すのは、社会から隠しておきたい娘を預かってくれているからという趣旨であり、老女がその金をうけとるのは自分の夫を奪った家族に対する復讐の気持ちもあったかもしれない…などといろいろ想像がふくらむ。
そんなにテレビをみる方ではないが、樹木希林は昔とあまり変わっていないように思う。
美魔女というのも世の中にはいるが、総じて美人よりもそうでない人の方が変わらない人が多い。
美人の中には若い頃の面影が全くといっていいくらいなくなる人もいる。
日本人じゃないのだがスーチー女史などはその一人だろう。
若い頃の彼女は孔雀という異名をとるくらいの美貌の主だった。
それが今では…。そういえば昔から西太后の写真をみるたびに不思議に思っていた。老女になってからの写真だが、なぜこの人が王の寵愛を得て権力を振るったのだろうかと。でも、スーチー女史の変貌をみると、西太后も美人だったのではないかと思う。スーチー女史同様角ばった細面の顔に大きすぎる口も、もっと頬がふっくりしていたときには全く別の印象を与えたのだろう。