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カテゴリ:ドラマ
韓国ドラマ「未生」にはいくつか印象深い場面がある。
というよりも、このドラマ自体、波乱万丈で先の読めない展開を楽しむというよりも、そうした個々の小さなエピソードや台詞に真価があるように思う。 会社を去った元同僚が連絡をとってくる話の続きである。 会社を去り、退職金と貯金でフランチャイズのピザ屋を経営したが、うまくいかず閉店してしまう。せっぱつまって昔の仲間を訪れてくる。 今では次長に昇進している元同僚と酒を飲みながら「会社は戦場だが、会社の外は地獄だった」という言葉がせつない。やがて次長は再び元同僚に会う。 酒に酔っている姿をみながら「そんな姿を子供にみせられるか。酔うな。酔うと機会を失う。」と言い、元上司の連絡先を手渡す。元同僚を会社から追い出した上司だが、今では会社をおこして専門家を探しているのだという。 それが次長が元同僚に対してできる最大限のことであった。 「恨んではいないさ。追い出すものもいれば追い出されるものもいる。それが会社だ」 日本でもそうなのだが、会社を辞め、独立したものの失敗した例など山ほどあるだろう。フランチャイズが大変なのはコンビニやピザ屋がしょっちゅうできたりつぶれたりするのをみてもよくわかる。ドラマの舞台になっているのは総合商社で、主人公を除けば、英語はできてあたりまえ、それ以外に同期三人をみても、それぞれロシア語、ドイツ語、中国語を駆使する。そして案件を通すためには、その業態や相手国の政情、相手会社の状況について、ものすごい量の情報の蓄積をする。そうした能力や蓄積があってこその、人的ネットワークなのだが、それでも、会社を離れると「地獄」というほどの厳しさである。 高卒でコネ入社の主人公は契約社員で同期の三人とは立場が違う。契約期間の終了は間近になってくるのだが、さて、どうなるのだろうか。努力に努力を重ね、上司からは「うちの奴」(ウリエ)と呼ばれ、同期とも友情を結ぶようになったのであるが。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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