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カテゴリ:イスラム
最近チャドル、ヒジャブ、アバヤ、ブルカなどにまつわる記事が新聞によく出るようになりました。
読売新聞にイランでチャドル着用に対する締め付けが厳しくなっていると報じています。イランでは元もとヒジャブについてはそれ程厳しい取り締まりはなく、取りあえず着けておけば問題がなかったのが、最近はかなりチェックが厳しくなり、着用の仕方が緩いとテヘランでは逮捕され両親が呼び出されて誓約書を書かされたりするケースが増えて来ているということです。その背景にはアフマディ・ネジャド大統領の人気が落ち気味で、特に保守派の長老からの批判をかわすために取り締まりを厳しくしているのではないかと噂されているようです。 サウジアラビアなどはアバヤと呼ばれる真っ黒な薄い羽織ものを頭から手まで見せないようにすっぽりとかぶっています。それでも若い女性は目の回りだけは分かりますが、年配の女性は目のまわりもほぼ完全に見えません。向こうから外が見えるのかなと心配しますが、薄いすだれのようになっていて向こう側からは良く見えるそうです。本当に暗闇では突然人が動くとびっくりしたことが何度もありました。 外国人はかろうじて顔まで隠さなくても良かったので、外出する際はアバヤを軽く羽織っていました(もちろん旦那がエスコートする必要あり)。 フランスでは公立学校でヒジャブをかぶることを禁じました。特定の宗教を表す象徴的なものを廃すということから来るようです。欧州憲法前文に「キリスト教精神に立脚した価値の尊重...云々」という言葉を削除したという経緯があるくらいです。 マレーシアではヒジャブは頭の部分が髪の毛が見えないようにかぶり、襟元をしっかりと留めているので、まるで照る照る坊主のようになっています。色も黒の人は殆どおらず、白や薄い紫などを使い、なかなか洒落ています。ヒジャブをかぶっていても服装は普通で、クアラルンプールなどではジーパンを穿いている若い女性も目にしました。 ブルカはアフガニスタンの女性にタリバン勢力が強制していたということでこの名前がよく新聞などで出てきましたが、顔までしっかり隠したイメージがあります。ただ、どうもチャドルが本来全身を隠すものであり、ブルカはその一部の顔を隠す布を言ったものとのことです。 ヒジャブなどは微妙な立場になっています。一方では被る自由、もう一方では被らない自由ということになるかも知れません。イスラムの象徴的なもののように捉えられていることがその原因にあると思います。 ヒジャブとはアラビア語でヒジャーブ(Hijaab)と発音し、Hajaba “隠す”という意味の動詞から派生した単語です。また“隠す”という意味から、日食になるという意味もあります。もともと女性を男性の邪悪な目から隠すという目的のためというのがあるようです。 またアバヤはアラビア語ではアバーアと発音され、‘abaa’ と‘abaa’aの二つの単語が辞書に載っています。つまり男性形と女性形の二つの単語があるということです。語源は’aba’aという動詞から来ており“包む”という意味があります。正に黒い布で身体を包んでいるイメージがあります。また、アラビア語にはブルカ(発音はburqu’)という。これは4語根動詞のbarqa’aから来ており、やはり“隠す”とか“覆う”という意味があります。 チャドルはペルシア語起源で、チャードルと発音するのが正しいようです。 更にベールを加えると女性が顔を隠す布には随分色々な呼び方があることがわかりますが、まあこれは服飾専門家にお任せします。 ブルカ(ディーワーニ) チャドル(ペルシア) アバヤ(ルクア) ヒジャブ(ナスヒー) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.05.06 08:47:03
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