継続団子
直江津駅の駅前通りを歩いていると「元祖継続団子」という看板が目についた。日曜日の午前中、時間が早いせいなのか閉まっている店が多い中、開店していたので、入店し「継続団子」を買ってみた。継続団子は林芙美子の「放浪記」の中に出てくる菓子であった。物語の主人公は日々の生活に疲れ、時間表の地図から、日本海に面した直江津いう地名を見つける。海と港の旅情、傷ついた私を慰めてくれるに違いない。こんな処へ行ってみたいとと考えた。しかし、実際に直江駅に着くと煤けた街、潮風の強さに幻滅する。直江津で一泊し、川の流れを眺め、橋上では荷車や人の足音の騒しさを感じる。駅の待合所で継続だんごを食べる。どの場所でも人々は生活している、生きて働かなくてはいけないと考えるようになる。また頑張ろうという気持ちになり、夜汽車に乗って東京へ帰っていく。継続団子2本パック食べる前にイメージしたのは米粉の団子であった。食べてみると独特の食感。しかし、素朴な味で美味しい。パッケージの原材料名の中に大手亡と書いてある。大手亡とは隠元豆である。白餡の団子であることが分かった。関川と荒川橋関川の川沿いには林芙美子の放浪記の石碑がある。