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2008年09月14日
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縁あって資料館のHPで大島出身の洋画家中出那智子氏の絵画作品やエッセイなどを公開している。
平成18年春から夏にかけて22通の葉書を貰った、そこには那智子さんの父親であった長島定一氏が作られた俳句と共に一句にふさわしいカット絵と若干の説明が加えられていた。
島の仲間とガリ版刷りの句集「たこ壺」を発行していたそうだが、その資料は見つけられないと聞いていた。私は文人墨客の大島の作品を検索している時に国会図書館に戦時中に発刊された本のデーターの中に「たこ壺」が在ることを見つけてコピーをして那智子さんに渡したことがあった。
もうそれはそれで終ったものと思っていたら、今朝の小包で「長島定一(俳号悠々子)の句集【冬の宿】」が届いた、何の手紙もなく、ただ句集が10冊送られてきた。表紙絵は画家中出那智子氏の目に焼き付いた消え去ることのない懐かしい風景なのだろう、大島で営んでいた旅館「南島館」の全景でリュウゼツランやサボテンも描かれている、この句集の発行に合わせて描かれたものだと思われる。句集には120近くの作品が載っている。

18年4月3日 父の俳誌「たこ壷」を語る1 最初のハガキにこう書かれている。

父長島定一は50代の頃、悠々子の俳号で「たこ壷」というわらばん紙一枚のガリバン刷りを個人的に出していました。太平洋戦争が終って疎開先の長野から帰島し、やっと生活が落ちついた昭和25年頃の話です。
当時のことを知っていらっしゃるのは、牧師の相沢先生くらいです。「たこ壷」のことを語り継ぐ人がいないので、私が父の残したノートを頼りにして父の句だけでも書き残して行きたいと思います。

こうして句集がまとまって印刷されたことはご家族の喜びであり、大島にとっての宝でもある。76才になる洋画家はこれまでの人生で「気にかかっていた事」を今ひとつずつやり遂げようとしているように私には思える。





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最終更新日  2008年09月14日 11時20分13秒
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