カテゴリ:読書
原作が未読だったので読んでみました。映画を見て原作もこんなヒドい出来なのか、ナンタラ大賞にろくなもんはないから仕方ないわなあこんなもんだろうなあと勝手に想像してましたが、実際に読んでみないとわからないので読んでみました。で、想像したよりはマシでした。まあ、それなりにちゃんとした作品になってました。少なくとも途中で読むのが苦痛になるような事はなかったです。結構面白かったです。最後は最低でしたが。私は先に映画を見てしまったので、オチがわかってて読んだので、こうなる事は想像できましたが、原作は一人称で書かれておりまして、となると、メイントリックとなる部分に関しては、叙述トリックになってしまいます。この叙述トリック、ミステリとしては完全に反則技なんで、よほどの必然性がないと読者が納得する事はないですが、本作に関しては、ピアニスト成長物語としていい感じで進んできたクライマックスで、おいおい、ここでそうくるのかよ、と興ざめさせてしまう、まったく不必要な要素だと思います。おそらく、映画はこの点を必然性を持たせる為に、主人公がなぜピアニストにならなければならないか、ああいう形の理由付けをしたのでしょうが、原作にこそ必要だったのではないか、でもしかし、アレはないと思いますよ。作者が読者に意識的に騙すのにもルールがあると思うのです。これは一人称でやるべきではないでしょう。三人称か、あるいは本作の探偵役であるピアニスト教師の一人称にすべきでした。まあ、それでも、あのどんでん返し(のつもりなんだろうけど)はまったく不要で、どんでん返しの為のどんでん返しになっており、遺産相続のトラブルに関しては、サイドストーリーとして十分描けてたと思うので、苦難を乗り越えてピアニストとしてコンサートに挑む感動ドラマが台無しでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[読書] カテゴリの最新記事
あー さすがですね。
どうなんだろうと思ったら すぐに探究し解決がスッキリしますね。 で、やっぱり〇〇大賞って いい加減なんですね。 これって業界が作ったもので なぁ~んの厚みもない物でしょ? ハクが付いてるようで 実のところ宣伝文句の一つにすぎないって感じですか。 作家の作品って 編集者と練るもんじゃないの? 出来上がった作品で、それでOKってなっちゃったんかなぁ。 (Feb 9, 2014 07:51:00 AM)
アルローラさん
だいたい賞と名のつくものが胡散臭いものですからね。作品の善し悪しより、他の事が重要になったりしますから。 (Feb 10, 2014 04:57:38 AM) |
|