カテゴリ:本
奈良少年刑務所詩集。
寮美千子・編 奈良少年刑務所の更正教育「社会性涵養プログラム」から生まれた作品を中心に57編を編んだもの。 在韓チングからお借りしました。 この本は末尾の筆者の書いた「詩の力 場の力」、 更に、文庫本あとがきまで読んで、いろいろ考えさせられた。 詩を読むと、実に、普通。 こんな普通な詩を書ける子たちが、 殺人や強盗などで収監されている子供たちだとは、 一体、罪を犯す子と犯さない子は どこが違うのだろう??? と、ますますわからなくなる。 厳しい環境で生きてきた子が多いとはいっても、 厳しい環境で育たざるを得なかった子供たちなんてたくさんいるだろうし、 真っ当な大人になって社会で真面目に働いて暮らしてる人がほとんどでしょうに。 ホンのちょっとした偶然が重なり合って、 重大な罪を犯してしまうのだろうか。。。 この詩集の中で一番、心に残った部分。 すきな色 ぼくのすきな色は 青色です つぎにすきな色は 赤色です <解説> 何も書くことがなかったら、好きな色について書いてください。 そう課題をだして、Bくんが提出した作品がこれでした。 あまりにも直球。 いったい、どんな言葉をかけたらいいのか、ととまどっていると、 受講生が2人、ハイッと手を挙げました。 「ぼくはBくんの好きな色を、1つだけじゃなくて2つ聞けてよかったです」 「ぼくも同じです。Bくんの好きな色を、2つも教えてもらって うれしかったです」 それを聞いて、思わず熱いものがこみあげてきました。 世間のどんな大人が、どんな先生が、 こんなやさしい言葉を、Bくんにかけてあげることができるでしょうか。 「Bくんは、ほんま赤と青が好きなんやなあって、よく伝わってきました」 仲間の言葉のすべてが、Bくんへの大きな励ましです。 普段、あまり表情のないBくんの顔がふわっとほころび、笑顔が咲きました。 こんなやさしい、こんな素朴な子たちが、どんな罪を犯したのだろう。 なぜ、犯罪者になったのだろう。そう思わずにはいられませんでした。 全体的にこういう感じ。 ホント、一体どうして、取り返しのつかない犯罪を犯してしまったのでしょう。。。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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