金の蚕
長らくご無沙汰していたキモノ屋さんに、行ってきた。アジア各地の伝統工芸をキモノに取り入れるよう、店主みずからが、日本やインド、タイなど、現地で作家と相談しながらオーダーしたものばかりだ。博物館級のものだという。売り物なので、どんどん触ってくれということで、貴重な体験をさせてもらった。その中で、ひとつ、テーマになっていたのが、インドの天然の金の絹、ムガだ。話では、その蚕が出す糸そのものが金色なのだが、ムラが多く、製品になるのは0.5パーセント。そのなかでも、黄金色というほどの色を出せるのはまれ、だという。黄金のショールがあった。シルクの光沢と、金のまばゆさ。素晴らしかった。わたしが惹かれたのは、ムガの5寸帯。5寸帯は珍しいが、しかも、うっすらとした金色(ベージュに近い)。日曜日まで、考えることにする。それをつくる、人の手。どんなひとなんだろう。若い女性か、熟練した男性か。遠い国で、織られ、今日、わたしの手で触れられた。Blogならclick!