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カテゴリ:しょうがいのある人系
行って来ました!
視覚しょうがい者にたずさわれて、真っ暗やみを体験するワークショップ。 1時間ほどの間に、今まで感じたことのないような体験、感覚を味わえる、不思議なツアーでした。 +++ □□□ダイアログ・イン・ザ・ダーク2004 in 東京 …目以外の何かでものをみようと思ったことがありますか? *視覚しょうがい者にサポートされて暗闇の中で「視る」体験をするというもの。 以前、アイマスクをして陶芸作品を手で視たり、陶芸作品を作ったりしたが、そのとき、今まで感じたことのないショックを受けた。 2004年7月31日-9月4日(土) 10:30~20:10まで 1ユニット定員10名 場所 梅窓院 祖師堂ホール ※東京メトロ銀座線「外苑前駅」徒歩1分 チケット 完全予約制、1ドリンク付 一般 前売¥3,500/当日¥4,000 小学生 前売¥2,500/当日¥3,000(税込) ※小学生は、保護者同伴。未就学児の入場はお断り □ダイアログ・イン・ザ・ダーク +++ ○入場 竹林に囲まれた新しそうなイベントホール。 スタッフの人たちは、とても親切。 まずは、暗闇の中での万が一に備えて、身分証明書を提示。 すべての荷物をコインロッカーに預ける。 ○ひとつめの部屋 時間が来るとまず、ひとつめの黒いカーテンで囲まれた部屋に入る。 ここはまだ人の表情がわかるくらい明るい。 ボランティアっぽい若い女性が、7名の参加者に、元気に「こんにちは」という。 参加者たちは、軽く会釈。 そこで、白杖(ハクジョウ)とやばれる視覚しょうがい者の使っている杖を渡され、使い方を習う。 ■白杖(折りたたみ式) *これは格安だけど、通常視覚しょうがい者の利用しているものは、10万以上もするらしい。 白杖は、視覚しょうがい者の目。 自転車のスポークにはさまれて折れてしまった経験のある人も少なくないらしいが、折れたとたんに、歩けなくなってしまうので、自転車は、放置されているものも含めて凶器。 折ってしまったら弁償するのは当然でしょうが、実際には泣き寝入りも多いとか。 +++ ○ふたつめの部屋 またまた黒いカーテンをくぐり、次の部屋に。 そこでは、もう人の顔はわからない。 かすかに足元が見えるくらいの暗さ。 ここには、同じように白い杖をもった女性が立っていた。 そうはいわないが、たぶん、彼女が、わたしたちを暗闇にいざなうツアーガイドだろう。 参加者の中に「視覚しょうがい者」という記号が入ったのか、それとも、相手の顔が見えなくなったからなのか、この女性のあいさつには、なぜか全員が、元気に声を出してこたえた。 +++ ○暗闇の世界へ 暗闇に入ったとたん、空間の広さがわからなくなり、途方もなく広い場所に入ってしまったような錯覚に陥り、一瞬、すごい恐怖を感じた。 そして、たぶんいつも以上に、臭いに敏感になった。 橋を渡るようになっているのだけど、無事に通った後でも、橋の広さがどのくらいあったのか、把握しないと不安になった。 これは、全部を体験してみて感じたことだが、どうも自分は、視覚的に記憶をしようとしているタイプの人間らしい。 なので、記憶をするために、自分なりに、視覚で感じられる広さや幅が必要だったのかもしれない。 +++ ○平衡感覚 平衡感覚が保ちにくくなった。 階段をおりるために、片足をあげただけで、バランスをくずして倒れそうになった。 ブランコにも乗ったが、すぐに酔いそうになった。 ○点字ブロック 左右の感覚や、まっすぐに進むなどの感覚もわかりにくかった。 右にいったつもりが、斜前くらいにしかいってなかったり。 「声のほうに来てください」と呼ばれると、案外わかりやすかったのが意外だった。 最後にバーにいって、飲み物を飲む時に、椅子に座って四角いテーブルに向かうのだけど、テーブルを触っていないと、まっすぐに座っている気がしなくて落着かなかった。 不安もなくまっすぐと歩けて、安全なので、「駅」という設定で、点字ブロックがあった時には安心した。 特に、前進オッケーの細長い棒状のブロックは、そこの上を摺り足で歩けばいいのでラクチン。 だけど、注意とか停まれの、ボツボツのブロックになると、どっちの方向に行けばいいのか、わからなくなってまた不安に。 駅のホームのブロックは、ボツボツだらけで、どこまで進めばいいのかわからず、不安になった。 なんと視覚しょうがい者の半分くらいが、ホームからの転落事故を体験しているというショックな報告もあるらしい。 ○味覚 最後に、バーがあり、視覚しょうがいのある人たちが、手際よくサーブしてくれる。 意外にも、ドリンクメニューは、何種類かあり、それぞれが選べる。 ケはジュース、スはコーラC2、ヅは下戸だけどワインを頼んだ。 ワイングラスのネックを持っているとワインが注がれる瞬間に、ネックがスッと冷たくなるのを感じた。 香りがよく、飲み干してしまったが、意外にもまったく酔わなかった。 弱視の人のお茶碗を黒にしてあげると、ごはんが見えて、ごはんがおいしくなると聞いたが、では、全盲の人たちは、晴眼者よりもおいしく感じていないのか? ○記憶 先ほども記憶のことを書いた。 スとヅは、夢の中のできごとのように、全体に暗いながらも、映像として、暗闇の体験が残っている。 スは「バーのテーブルが黒だった」といい、ヅは赤だったような感じがある。 いうなれば、ねじ式とかそんなイメージで、描くことができる風景として残っているのだ。 ■ねじ式 著者: つげ義春 ■赤い花 日野日出志/作 ■日野日出志 作品 「霊少女魔子」「地獄から来た恐怖列車」「赤い蛇」 計3冊 一方、ケは、「描くことはできないけど、どう残っているかといわれても答えることができない感じ」 この記憶の仕方によっても人間のタイプが分かれるのかも。 ○視覚しょうがいのある人 明るい場所に出たとたん、暗闇であんなに逞しくみんなを誘導してくれていたガイドが、晴眼者に手をとってもらってゆっくりと歩いているのが見えた。 また、役割が終わったからなのか、見えている自分の先入観のせいなのか、ガイドの女性の話し方までもが、静かでたどたどしくなってしまった気がして、遠い存在に感じてしまった… 安全を守るため、だれかが暗視カメラで見ていたのか、それとも、暗闇では本当に彼女はスーパーウーマンだったのか… +++ ○体験記ブログ □ 盲点 blind spot 『Dialog in the Dark その2』 □妄想日和『「ダイアログ イン ザ ダーク」を体験する二人。8/6の出来事。』 □科学者の感性『暗闇ともう一人の自分』 □槐の塊魂『ダイアローグ・イン・ザ・ダーク』 □脇田玲@慶應義塾大学 環境情報学部 『DID』 □Hush!!『「見えない」を見に行く ~DIALOGUE IN THE DARK~』 □ヌーベルブログ『あなたのクラスタリング係数は? 』 +++ ○全体に とっても興味深い体験だった。 けど、どちらかというと、視覚しょうがい者の日常を体験させるという、とても直接的な方法だったので、すべてのコーナーが仮設であることのチープ感やそれによるとまどいもあった。 たとえばアーティストに参加してもらって、もっと、間接的に、何かを感じられるような状況を作ってもおもしろいかも。 オーバ的には、暗闇+アートといえば、ジェームズ・タレルを思い出す。 横浜ポートサイドギャラリーで見た暗闇の中の作品は、すごーくショックだった。 同じ作品を埼玉でも見たけど、暗闇が完全でなかったので、感動は、いまひとつだった。 *タレルについては、近々に特集をしよう。 ■視覚しょうがい者とアート ■視覚しょうがい者と食*暗闇レストラン ■闇を歩く 著者: 中野純 日本初!真っ暗闇スポット体験ガイド。身近で手軽な真っ暗闇の名所を訪ね歩き、闇の魅力を語り尽くした体験的ガイド。 ↓1日1回投票お願いしまりす。 ホームページランキング デザイン・芸術部門 楽天ランキング「生活インテリア」 +++ ○オーバのおすすめ日記一覧 ■『アート・手作り・建築系』系 ■『ヘンかわ雑貨』系 ■『なんちゃってガーデニング』系 ■『おいしいもの』系 ■『しょうがいのある人』系 ■『音楽』系 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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