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カテゴリ:心理学 メンタル 悩み、読書
読レポ第2060 カール・ロジャーズ ~カウセリングの原点~ 著:諸富祥彦 第6章 1955年ロジャーズとジャンドリン 「深いところから話さないクライアント」への対応として、フォーカシングを発見(4/6) つまり、クライアントが自分の内側の深いところ、experiencing(エクリンピング:経験する)に触れながらもの考えたり語ったりする時に変化が生じている、とういう発見は、何もウィスコンシン大学での統合失調症研究から生まれたものではない。20代前半のジャンドリンがディルタイ(ドイツの哲学者)研究の中で、人間の生の最も重要な働きとしてとらえ、ロジャーズののカウンセリングではきっとそんなことが起ているはずだからそのことを確かめなくては、と思って、勇気を振り絞ってロジャーズのもとを訪ねた理由となった、そのことがあった。そしてカウンセリングの実習生となってクライアント役を買って出た時に、これこそセラピィの核心だとますます確信を持つに至った、そのことがあた。つまり、人は自分の内側の深いところ、experiencing(エクリンピング:経験する)にダイレクトに触れながら、そこに意識を向けてものを考えたり語ったりする時に変化するのだ、ということ、そのことこそがやはりセラピィの核心であり、それができているクライアントは変化し、できていないクライアントは変化していない、という、きわめてシンプルな真実であったのだ。そして、ロジャーズの「受容、共感、一致が伴った深い傾聴」は、それがクライアントの中にこの動き、つまり深く聴かれることでクライアントも内側の深いところに触れながらものを考えたり語ったりすることにつながる時に大きな意味があり変化につながるけれども、それが通じなクライアントも時折いる、という真実であった。 と著者は述べています。 ここで、ジェンドリンが、ロジャーズのもとを訪れた動機が語られている。ディルタイ(ドイツの哲学者)研究でクライアントが自分の内側の深いところ、experiencing(エクリンピング:経験する)に触れながらもの考えたり語ったりする時に変化が生じてのでは、ないかと思い、ロジャーズの元へと勇気を絞り訪ねた。まさしく、ジェンドリンは、ロジャーズの「受容、共感、一致が伴った深い傾聴」がクライアントの内側の深いところに触れながらものを考えたり語ったりすることにつながる時に大きな意味があり変化につながる核心を得たのである。ただし、クライアントが自分の内側の深いところ、experiencing(エクリンピング:経験する)に触れることができないクライアントは変化しない。 確かに、「受容、共感、一致が伴った深い傾聴」をクライアントにしても、変化しないクライアントもいます。おそらく、カウンセラーの「受容、共感、一致が伴った深い傾聴」を受け取れる受け皿がまだ無いのか、カウンセラー自身の「受容、共感、一致が伴った深い傾聴」が、まだ足りないのかも知れません。また、クライアントがカウンセラーに依存していれば、自己変容は起きないので、クライアントには変化は生じることは、少ないでしょう。自ら変わりたいという気持ちがないとならないと思います。カウンセラーは、そのような人に対しては、まず自己肯定感を高めることから始めなければならないと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.05.01 10:55:49
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