デリー商魂ルート元締め(嘘)リキシャ35歳
夕べ私は、私の日本における(オートではない)リキシャを失いました。夜、多少朦朧としつつ電車を降り、、愛車の置いてある最寄り地点へと向かいながらバッグのなか探ってるとキーが見つからないの。今日はあいにく3階しか空いてなかったので、疲れた足でてくてく上って、もしかしたらキーつけっぱなしにしたかなと思ったけど、愛車の前まで来たら鍵かかってるのよね。ここまで言えばわかるでしょうが、愛車というのはチャリである。駐車してるのは駐輪場です。1回100円。… 鍵、落とした …?鍵かけ忘れても誰も盗んでくれない自転車だが、夜のこういうときには役に立つんである。インド人なら鍵を壊してくれるかもしれない(=根拠ゼロ)が非力な私(Rajさんに「No mustle no mustle」と言われた… 行く前、日本では“筋肉ついてるでしょ”って自慢してたのに)には無理であった。愛車を置いてタクシーに乗る悔しさ。出がけに置いて行ったので、お酒飲んでて鍵を落としたという言い訳も成り立たない。当たってるよねジョーティッシュ… 最大の弱点: 不注意。タクシー代800円。インドでこの日乗ったリキシャは円にして1200円だった。この値段で半日以上貸切だったのだ。でもま、楽な乗り物じゃなかったですが…というわけでインドまだ2日目の続き「ここだ」と言って道路からマーケットらしき場所へ入っていったジャイプールお兄さんは、入ってすぐ、とある店の前で停まった。出たよ。いきなりこれかと。きらびやかなサリーがウィンドウから覗くお店であった。ドアボーイさんがさっとドアを開けるのであった。それで何で入ってしまうのだ私ね。ここでサリー抱えて出てきたらホントに大笑いだが、さすがにそこまでおめでたくは出来てない。明日移動するのにここでサリー買ってどーする。入ってすぐ出てきました。出てきたらジャイプール兄さんはまだいた。さらに、なんとなくたたずむ人々が、なんとなく増えているような気もした。サリー要らないです、というと、ジャイプール兄さんは強要はしなかった。「OK,OK」(このOK,OKも、No problemとともによく耳にした言葉。No problemに大した根拠を必要としないと同様、このOKも、OK気分じゃなくても―というより、OK気分じゃないとき―使われるような、気がした)。じゃツーリスト・インフォメーションへ行きましょう。GovernmentalでOfficialだから。このgovernmentalがどういう意味なのか定かではない。どう考えてもインド政府機関につれていってくれそうではないし。政府公認ってことなんでしょうか。ともあれその政府認可済みインフォメーションセンターに。インフォメーション・センターと言うより運送会社か探偵事務所みたいな構えだったが(自分でも書いていて比喩の意味がよくわからないが)地図はたしかにバーンと貼ってある。入っていくとベンチが手前にあって人が2人。その奥へどうぞと言う。いえ地図だけでいいんですけど…仕切りがあって、狭い小部屋みたいなとこにデスク一台、その向こうにおじさん一人。たしかにこの小部屋は役所の面接室風。governmentalである。おじさんが愛想よく、どうぞ座ってくださいという。日本人とわかると日本語で喋り出した。日本にレストラン持ってるとか。governmental観光案内なのに。でどこ見に行きますか、これからの予定は、というのでもう明日の朝には移動するので…というとどこへ、何で行くのか、という。車でリシケシ… というと車ならうちで頼もうという。いえ、もう頼んであるんです。というともう支払ったのか? ―まだだというとなら、問題ない。何がどう問題ないんじゃ~いくらだ、というので6000円だと答えたら、ちょっと黙った。もっと高い料金だと踏んでいたのだろう。チャイ飲みますか、チャイ。でリシケシュからデリーはどうするの。それももう頼んだというと、駅まで迎えに行くよ、リシケシュもホテルまで迎えに行くよ、断ればいいでしょ…堂々巡りである。答えがはっきりわかっている場合には、曖昧な日本の私でも明確に答えられる。すでにお願いしてあるのだから、ここであちらに相談もせず変える訳には参りません。だめらしいと見たおじさんは表情が変わった。(この人相転換も、一部インド人、とくに運送商売関係インド人は素早い。ちょっと怖い)OK,OK,さようなら。チャイは出なかった。いくら本日予定なし目的地なしとはいえ、こんなことで時間を費やしていていいものだろうか…と思いつつ出てくると、ジャイプール兄ちゃんはまだいた。この人も予定なし目的地なしなのか。悠久の時間流れるインド。そしてなんとジャイプール兄ちゃんは、ツーリスト・インフォメーションセンターの”ヘッドオフィス”がある、というのである。あー・・またやってしまった。これからお墓参りに参ります。リキシャ兄さんまでたどりつくのはいつだろう。見直ししないけどごめんなさいっ