今日は、
東京オペラシティで、
マゼール&ニューヨーク・フィルハーモニックのコンサートを聴いてきました。
プログラムは、ヴェルディの歌劇『シチリア島の夕べの祈り』序曲、チャイコフスキーの『ロココ風の主題による変奏曲』と、ショスタコーヴィチの交響曲第5番ニ短調『革命』でした。
ここのところの
ブロードキャストでも、マゼールとのコンビの良さがひしひしと伝わってくるニューヨーク・フィル。聴く前から、期待でワクワクです。
しかも、今回は、な、なんと、最前列の右側の席。第2ヴァイオリン越しに、コントラバスと、チューバ、トロンボーンなんかが並んでいます。バランスは悪いですが、すごい音が聞けそう。
コンサートが始まると、最初の『シチリア島の夕べの祈り』から、ニューヨーク・フィルのパワー炸裂です。特に金管楽器の豪快さはすごかったですね。マゼールは、こういったノリのいい曲の盛り上げ方、とっても上手いですよね。
とってもベーシックで、シンプルな指揮なんですが、ポイント、ポイントの指示が上手いんでしょうか?
最も期待をしていたのは、やっぱり、ショスタコーヴィチです。先日まで、
この曲の定期公演での録音がブロードキャストでも流れていたので、お聴きになった方もいるんではないでしょうか。マゼールが、この曲を、実際にどんな風に指揮しているのかと、とっても楽しみにしていたんですよね。マゼールの指揮の動作は、この曲でも、いたってベーシックで、シンプル。指先まで使って、細かく指示を出す
ゲルギエフのようなタイプとはまったく違う芸風ですよね。しかし、オーケストラは、マゼールの思い通りに、実に雄弁に、かつ、繊細に演奏するんです。巨匠中の巨匠とは、このことですね。今回のショスタコーヴィチ、迫力もすごかったですが、不安なムードの漂うシーンなんかは、映画音楽的なリアルさが印象的でした。それに、ノスタルジックな旋律や、感傷的なモチーフは、とっても繊細で美しく演奏されていて、ショスタコーヴィチの新しい一面を見せられたような気がしましたよ。
これまでの音楽の記事は
こちら
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番ニ短調『革命』ほか