「七福神は呪われている」明邦大学を震撼させた連続怪死事件以来、その研究はタブーとなっていた。しかし、棚旗奈々の後輩・貴子は兄の遺志を継ぎ、論文を完成させようとする。そして新たな事件が!?ご存知、桑原崇が歴史の闇に隠された「七福神」と「六歌仙」の謎を解き明かす。大人気シリーズ第2弾。
私の未読本の中で目下の所、当面の読破対象と言えるのが「QED」シリーズです。
なぜなら、文庫化されている2作目から5作目までが積まれているのは読まざるをえない状況でしょうねぇ。
何気にシリーズ1作目にしてデビュー作の「百人一首の呪」を読んだのが去年の今頃だった気がしますが、特に問題なく読み進められました。
ちゃんと説明が入るので人間関係が分かり易いですが、我が道を行く探偵役やその探偵に憧れるヒロインという設定が印象的に二階堂黎人さんと「水乃サトル」シリーズと妙に被る気がしますw
前作で百人一首の裏側と現在の殺人事件を推理したのに続き、今作では七福神と六歌仙の謎と現在の殺人事件を追うという内容でした。
メインとなる歴史ミステリの推理は鯨さんを髣髴とさせる大胆な推理で面白かったのですが、全体的に背景を含めた説明部分が長過ぎる気がします。
博覧強記なのは分かりますが、延々と説明し続ける描写は読んでいて非常に疲れました。
あと、現在の事件でのダイイングメッセージが少し納得し難いですね。
フェアに徹しているのは良いのですが、あれを警察やマスコミを含めて全ての解釈が1本になるのに説得力が少ないと思います。
それに動機も「そんな理由で殺人するの?」と疑問を感じざるをえないものでした。
六歌仙等の謎と比べると説明不測の印象がありますし、前作同様に主人公達の事件への関わり方が強引過ぎる気がします。
現在はシリーズ3作目の「ベイカー街の問題」を半分少し読んでおりますが、これまでは桑原探偵が大人しいので終盤の怒涛の推理が楽しみですねw