名前・正太郎(雄猫)、毛色・八割黒に二割白(長めの毛足)、飼い主・桜川ひとみ(ミステリー作家)、住まい・琵琶湖近郊、友犬・サスケ、特技・推理―。長編『ゆきの山荘の惨劇』『消える密室の殺人』(角川文庫)で鮮烈に登場した猫探偵の六つの事件簿は、こだわりや仕掛け、企みやいたずらが満載。さあ、正太郎といっしょに夢と、いや、推理と冒険の旅に出発。
日本シリーズの影響からか感想を書く機会が少ないのですが、ちゃんと読書しておりますw
最近、連続で読んでいるのが柴田よしきさんの「猫探偵・正太郎」シリーズです。
かなり前にシリーズ1作目の「ゆきの山荘の惨劇」を読み、最近2作目の「消える密室の殺人」を読み終わり、続け様に短編集である今作を読みました。
このシリーズは猫である正太郎が語り手であり探偵役なのですが、猫や犬の仲間との会話や飼い主である桜川ひとみを始めとする愉快な人間が登場するコミカルなミステリです。
ただ、この短編集は少し趣が違いますね。
収録されている6短編の内「正太郎~」と付く3短編は長編と同じく正太郎が語り手となり活躍する本格ミステリ作品なのですが、付かない3短編は語り手も単発のキャラでサスペンスな作風だったり、どれもシリアスな内容で正太郎達が登場しても印象は全然違いますね。
同じシリーズでありながら、全く内容の違う短編が楽しめる面白い構成になっていると思いますし、コミカルで微笑ましいとはいえ正太郎の活躍だけ読むのは食傷しそうなのでマンネリもせず読めました。
特に「愛するSへの鎮魂歌」は読み応えがありましたね。
どちらかと言えば、シリアスパートの作品がお気に入りですが、京都という郷土色を出した「正太郎とグルメな午後の事件」は素直に面白かったです。
現在は、シリーズ番外編と言うべき「風精(ゼフィルス)の棲む場所」を読んでいます♪