紹介文
報道番組『ナイン・トゥ・テン』に売春の元締めとして登場した女子高生が全裸で首を吊った。恋人を番組に殺されたと訴える青年八尋樹一郎の姿は、ライバル局の視聴率を跳ね上げた。メディアが生んだ一人のカリスマ。その邪悪な正体に気づいたのは、砦を追われたテレビマン達だった。『破線のマリス』を超える衝撃。
砦なき者
面白かった!
野沢尚の本はどれもテレビドラマや映画のように
読みながら映像が浮かぶような文章で
テンポも途中ドラマならここでコマーシャルかな?なんていう
間まであってホント、さくさく読めてしまいます。
このエセ恋人でメディアに恨みがあり
メディアをとことん利用してやろうという青年・八尋が
沢直樹のコミック"MONSTER"のヨハンを彷彿とさせました。
でも八尋はこんなに人間を操るのが上手いくせに
一度テレビに出るまではその才能をまるで発揮せずに
ただのフリーターとしてくすぶっているのがちょっと違和感。
この間の"切断"の犯人みたいにこんな才能があったら
そもそもこんなことする前にほかで成功してるでしょ~みたいな。
それに、多少テレビで人気が出たって
コメンテーターくらいならともかく、ニュースキャスターにまで
なれるものかなぁ?
クライマーズ・ハイもそうでしたが、
ここのところメディアの裏側を垣間見られるような
本が続いています。
実際内部の人から見たら、"こんなもんじゃないよ~"という
かも知れませんが、まったくその世界を知らない
ワタシ的には物珍しかったです。
現在集中ダイエット中ですが
いいですねこういう一気読みできる本。
空腹も紛れます・・。