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のぽねこミステリ館

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記事を読んで、「私はこう思ったよ」とメッセージをくださったり、あるいは読んでみようかという気になったりしていただけると幸いです。
よろしくお願いします。
2024.04.27
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ジャン=ミシェル・サルマン(池上俊一監修/富樫瓔子訳)『魔女狩り』
~創元社、1991年~

(Jean-Michel Sallmann, Les sorcières, fiancées de Satan, Paris, 1989)

「知の再発見」双書の1冊。
 本書の構成は次のとおりです。

―――
日本語版監修者序文

第1章 妖術の誕生
第2章 魔女狩り
第3章 過酷な裁判
第4章 妖術と魔術
第5章 妖術の衰退
資料篇―魔女のイメージと現実
1 ある妖術事件
2 悪魔学者の語るところによれば
3 サバト
4 ロマン派の視点
5 ルーダンの悪魔
6 ベナンダンティの戦いの儀礼
7 現代の魔女
8 伝統的な知識
9 非ヨーロッパ文化における妖術

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INDEX
出典(図版)
参考文献
―――

 第1章は魔女狩りの前史として、妖術の諸相を概観します。妖術が災害などの原因とされたほか、その起源が古代の神話に求められることなどを指摘します。
 第2章では、魔女裁判の具体例や、魔女が行っているとされる様々な儀式などが概観されます。ここでは、「とくにもっとも年老いたもっとも貧しい」(58)女性が魔女とされることが多いことを指摘するなかで、その時代の社会を「世間の人たちがそう信じて自己満足しているほど、老人にいたわりがあるとは必ずしも言えない社会」(59)と評している部分が印象的でした。
 第3章は、どう答えても有罪にもっていかれるような事例など、様々な過酷な裁判の事例紹介です。
 第4章は、魔女狩りの実施には地域性があり、過酷な魔女狩りが行われなかった地域もあることを指摘したのち、魔女狩りを懐疑的に見ていた人々の存在などを論じます。
 第5章は章題どおり、魔女狩りの終焉をたどります。
 資料編では、現代や非ヨーロッパ圏の事例も紹介されるのが興味深いです。
 本シリーズに共通しますが、図版が豊富でイメージしやすく、また叙述も明解で、読みやすい1冊です。

(2024.03.24再読)

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Last updated  2024.04.27 13:11:22
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