「フィンドホーンの花」
アイリーン・キャディ /山川紘矢・亜希子・訳 1994/11 日本教文社 単行本 353p 原書1988
No.949★★★★☆
このような本を読み終わった直後に、私のようなうつけき男が、とやかくどうのこうのいうのは止めておこう。そんなことをするのは、どう考えてもあまりいい趣味ではない。自分の中で言葉が自然に降りてきて、静かに収まったころを見計らって、後日メモすることにしよう。
なにか他の本や出来事とリンクさせて考えることはそれほど難しいことではない。似たようなことどもと、共通項を見つけて、一山なんぼ、一把からげすることも可能だ。見て見ぬふりもできるし、なにかのアナロジーを見つけることもできるだろう。しかし、今夜はそっと、このエネルギーを味わうにとどめよう。
アイリン・キャディは1917年生まれということだから、もし現在もご健在なら卆寿をすでに越えられているということになる。この本が原文で出たのが1988年だからちょうど20年前。聞き取ったライザ・ホリングスヘッドの手になるものとは言え、微にいり細にいり、その長く特異な人生ストーリーを赤裸々に追っている。
翻訳も山川夫妻で、どことなくまだ新鮮さがあるような感じがするのは、こちらのひねた観察眼ゆえか。本文においてもニューエイジという言葉でてくるが、このフィンドホーンについて、バチカンがどうのこうのと言っているのが、なんとも可笑しいやら面白いやら。