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地球人スピリット・ジャーナル1.0

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2009年4月1日

地球人スピリット
・ジャーナル2.0


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2008.12.26
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カテゴリ:agarta-david

「覚醒のメカニズム」 グルジェフの教えの心理学的解明
チャールズ・T. タート, 吉田 豊, 大野 純一 2001/01 単行本: 506ページ コスモスライブラリー 、原書 Waking Up: Overcoming the Obstacles to Human Potential 1986
Vol.2 No.490 ★★★☆☆

 この本がどのような位置づけになる本なのかわからない。図書館の蔵書を検索したところ、キーワード「グルジェフ」で出てきた本なので、「グルジェフの教えの心理学的解明」というサブタイトルについて書かれたことは間違いないだろう。2001/11に発行された本だが、原書は1986年で出ている

 大学で人間性心理学とトランスパーソナル心理学の講座を指導する時、私はグルジェフの思想について二時限を費やす。目覚めるためには教師が必要だという考えは、毎回、学生たちからの強い抵抗を引き起こす。彼らはしばしばあまりにもこの抵抗にとらわれてしまうので、それがグルジェフの他の考えに近づくことを阻止してしまう。p404

 いくらスクールやティーチャーという単語がグルジェフ・ワールドのものであったとしても、いきなり現代の大学での心理学の講義でグルジェフがでてきたら、あまりにも場にそぐわない感じがするのは当然だろう。ましてや20歳前後の学生が中心では、グルジェフの味わいがなかなかわからないに違いない。「目覚めるためには教師が必要だ」という言葉のオリジナルなグルジェフの言葉を、マスターという存在を予備知識のすくない欧米の若者に、教師という翻訳語で示すこと自体がなかなか難しいのではないだろうか。

 高次センターとコンピューターの類比
 コンピューター時代に生きているわれわれには、この状況への優れた類比がある。われわれ一人ひとりが専用の小さなパソコンを持っているということである。それは作動が遅く、小さなメモリーしか持っていないので、ごくわずかなデータしか保存できない。計算には、「知性ベーシック」、「感情ベーシック」、「身体/本能ベーシック」という、かなり原始的な三つのプログラミング言語が使われる。効率的に使えば、通常の生活ニーズの多くを満たすために非常によく機能でいる。われわれがこの小さなパソコンを愛し、尊重するのはもっともなことである。なぜなら、たとえ限られているとしても、それは見事な機械だからである。事実、われわれはそれと同一化してしまっており、それが考えることは自分が考えることだと思っているのである。
p356

 この本の原書がでたのは1986年であり、インターネットの爆発どころか、パーソナル・コンピューターの普及もまだまだほんの数パーセントの時代であったことを考える必要がある。しかも欧米に限られていた。だから、これらの表現は割り引いて評価すべきであり、この時代にここまでよく表現した、とすべきか、この時代の理解はここまでが限界であったとすべきか迷うところではある。しかし、この本の邦訳がでた2001年では、これらの表現は明らかに時代遅れになっている。

 自分の小さなパソコンに執着し頼るあまりわれわれが忘れてしまったことは、巨大なスーパーコンピューターとわれわれをつなぐための端末としてパソコンが働くよう、それをプログラムする仕方があるということである。このスーパーコンピューターはわれわれのパソコンよりもずっと速く作動し、通常われわれに知られることのないきわめて重要な事実であふれたとてつもないメモリーを持ち、そして、知性ベーシック、感情ベーシックおよび身体/本能ベーシック言語では適切に対処できないあらゆる種類の重要な問題を解決することができる、二つの非常に強力かつ高度なコンピューター言語を計算に用いる。これらの言語とは「高次感情」および「高次知性」言語である。p357

 インターネットの時代においては、スーパーコンピュータの計算が早いとか、メモリーがとてつもなく大きいとか、いうことは、当たり前というか、基礎的なこととなっており、むしろスーパーコンピュータが無数につながるモデルさえ想定されている。われわれのパソコンは、スタンドアロンで単立しているものではなく、これらのスーパーコンピューターのネットワークにつながる端末と機能しているのが2008年の現状である。

 人生のもっとも重要な問題も、もしスーパーコンピューターがその膨大なデータバンクから適切な知識を引き出して、高次感情および高次知性言語でもって取り組めば、答えることができるだろう。が、悲しいかな! われわれはそれとつながっていないのだ。われわれはこれらの非常に重要な問題を自分の小さなパソコンで解決しようとするのだが、ベーシック・コンピュータ言語のどれかではそれらを解決できないのである。ハンガリー語のある種のジョークが英語に翻訳されるとその真髄である滑稽味が失われてしまうかもしれないのとちょうど同じように、一定の事柄は高次感情または高次知性言語においてのみ意味をなす。これは、第一章で論じたあの状態特定的知識の一種なのである。p358

 スーパーコンピューターとつながっているパソコンを持っている21世紀の人間たちにも、決して「人生のもっとも重要な問題」は解決していない。膨大データの蓄積、膨大なデータの計算処理の高速化、そこから導き出される結果のアウトプットなどについてはこの20年間で比較のしようがないくらいに進歩があった。たしかに未知なるもの多くが既知なるものとなっては言ったが、依然として未知なる領域は計り知れない領域として残りつづける。

 ある時点に至ったら、これを少しあれを少しというふうに混ぜこぜにすることはもはや不適切である。ほとんどの道はあなたがそれに注ぎ込むエネルギーの量に正比例し、あなたに効果を及ぼすであろうから、あなたは本腰を入れて一つに集中し、それに大量のエネルギーを注がなければならなくなるだろう。もしある道をずっと遠くまで行きたいなら、一度にいくつかの方向に進むことはできない。p474

 あちこちの思想や技法を切り張りで貼り付けてもおかしいことになることは同感だ。しかし、このような言がでてくることに私は大いに疑問をもつ。もし、自分に体があり、その体が全体的なものであったとするなら、Gパンをはこうが、水着にしようが、ドレスアップしようが、帽子や靴や手袋やアクセサリー類は、自分の好き勝手にどのようにコーディネイトしたって、構わないはずだ。いや、むしろ、真理はそのような利用のされ方を待っている。

 これを少しあれを少しというふうに「まぜこぜ」な感じになってしまうのは、もともとの裸の体に自信がないからだ。自信のない体を飾りたてようとするから、まぜこぜな感覚になるのであり、クラシックに決めようが、パンクでいこうが、外側の知識や技法だけなら、所詮はほんものにはならない。

 今回、当ブログの読書マラソンにおいてつくづく感じたことだが、この本がでているコスモス・ライブラリーというところは、かなり貴重な本を数多く出している。お世話になっているので、心より感謝したい。しかしながら、この本のように、資料としては貴重ではあるが、本の出版という意味では時期を逃してしまっている本も数多くあるようだ。

 もっとも一読者としても、時期をはずさない読書を心がけなければならない。このチャールズ・タートの本も貴重ではあるが、どこかピントがはずれてしまっている。そして、ピントが外れてしまっている本に、グルジェフを紹介されると、ひょっとして、グルジェフはすでに時代遅れなのではないか、とつくづく思ってしまうことになる。

 「エニアグラム進化論」の前田樹子などは、グルジェフの言を借りるアリカ・インスティチュートのオスカー・イチャーゾなどの性格類型論に対して、激しく反論している。だが、こちらのチャールズ・タートは、これらイチャーゾなどにはいたって寛容なようだ。いずれが正しいかは保留するとしても、グルジェフの悟りを理解するには、自らの悟りをもって理解する以外にない。

 これを少し、あれを少し、ではとんでもない混ぜこぜになるが、また、この道を一筋、グルジェフを一本、というのも実は妙なことになってしまう。基本は自分なのであり、自らに聴く以外に、本当の道はないのだ。

<2>につづく






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Last updated  2009.05.11 00:15:06
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