J・J・ジョンソン 『ダイアルJ.J.5(Dial J.J.5)』
トロンボーン奏者率いるクインテット演奏の代表盤 J・J・ジョンソン(J. J. Johnson,1924年生れ2001年没)は、モダン・ジャズを代表するトロンボーン奏者。彼の大評判として知られ、彼が率いたクインテットによる最高峰の演奏と言えるのが、1957年に録音された本盤『ダイアルJ.J.5(Dial J.J.5)』である。 クインテット(5人組)のメンバーは、トロンボーンのJ・J・ジョンソンに加えて、ボビー・ジャスパー(テナー、フルート)、トミー・フラナガン(ピアノ)、ウィルバー・リトル(ベース)、エルヴィン・ジョーンズ(ドラムス)という面々である。リズムセクションの3人は、本盤の録音後、この同じ年にトミー・フラナガンの名盤として知られる『オーヴァーシーズ』を録音しており、本盤でもこれら3人の演奏の安定感とよさが際立っている。テナー・サックスとフルートを使い分けているボビー・ジャスパーは、ベルギー出身で米国へ渡って活躍した人物で、本盤のほかにウィントン・ケリーの『ケリー・ブルー』でも知られる。 どれもスリリングで、このメンツだからこそ成し得たという演奏が並ぶ。個人的好みで何曲か挙げると、1.「ティー・ポット」、2.「バルバドス」、4.「セッテ・チョーズ」、9.「バード・ソング」といった具合になるだろうか。とは言うものの、このクインテットの本領は、本盤の別の部分でも発揮されているようにも思う。 それは、5人全員がそろうのではなく、3人や4人の演奏曲も含まれている点である。7.「ソー・ソーリー・プリーズ」と8.「イット・クッド・ハプン・トゥ・ユー」では、リーダーのJ.J.が演奏していない。また、ボビー・ジャスパーは必要に応じてサックスまたはフルートを演奏し、時に彼が抜ける。結果、6.「ラヴ・イズ・ヒア・トゥ・ステイ」は、ジャスパー抜きのカルテット演奏。7.はJ.J.もジャスパーも抜けており、トリオでの演奏となっている(これがまた上述の『オーヴァーシーズ』を想起させる見事な演奏!)。8.はJ.J.が抜けてジャスパーのフルートをフィーチャーした、なおかつリーダー抜きでのカルテット演奏。この自在さというか臨機応変さがこのメンバーでの演奏のよさであるというのも実感できる作品というふうに思う。[収録曲]1. Tea Pot2. Barbados3. In a Little Provincial Town4. Cette Chose5. Blue Haze6. Love Is Here to Stay7. So Sorry Please8. It Could Happen to You9. Bird Song10. Old Devil Moon[パーソネル、録音]J. J. Johnson (tb)Bobby Jaspar (ts, fl)Tommy Flanagan (p)Wilbur Little (b)Elvin Jones (ds)1957年1月29日(5., 6., 8., 9.)、1月31日(2., 3., 4.)、5月14日(1., 7., 10.)録音。 ダイアルJ.J.5 [ J.J.ジョンソン ] 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓