イングヴェイ・マルムスティーンズ・ライジング・フォース 『マーチング・アウト(Marching Out)』
バンド形式の演奏で展開されるインギーの世界 イングヴェイ・マルムスティーン(Yngwie Malmsteen)がソロ・プロジェクトでの活動を始めて2枚目の作品となったのが、この『マーチング・アウト(Marching Out)』という盤である。イングヴェイ本人的には、インターヴューでこれがファースト作であるという言い方をしているとのこと。レコード会社の意向もあり、インスト(つまりはイングヴェイの演奏)が中心となる形で制作された前作(『ライジング・フォース』)とは異なり、ヴォーカル入りの楽曲が増えていて、バンドらしさが感じられる作品となっている。 メンバーは、前作と同じジェフ・スコット・ソート(ヴォーカル)、イェンス・ヨハンソン(キーボード)に加え、新しいドラマーのアンダース・ヨハンソン、さらにはベースのマルセル・ヤコブが参加している。全体にアグレッシヴな楽曲が多く、ヴォーカルの比重を高めつつもイングヴェイのギターの冴えた演奏がその屋台骨となっている。 個人的な好みの曲をいくつか挙げておきたい。冒頭の1分ほどのインスト曲の1.「プレリュード」から2.「アイル・シー・ザ・ライト・トゥナイト」は本盤の最大の聴きどころの一つ。アルバム前半で特に印象的な曲をもう一つ挙げておくと、5.「アイ・アム・ア・ヴァイキング」。北欧人だからこの詞の内容ということなのだろうけれど、“俺はヴァイキング”というタイトルは、最初に聴いたその当時からすぐさま目についたもので、イングヴェイのギター演奏がお見事である。 アルバム後半に目を移すと、クラシックを取り込んだ6.「序曲1383(オーヴァーチュア・1383)」は、いかにもイングヴェイといったギター演奏。その後も優れた楽曲・演奏が連続するが、あと1曲だけ触れておくとすれば、アルバムを締めくくる表題曲の11.「マーチング・アウト」。こちらもインストゥルメンタル曲なのだが、アルバム全体のトーンからすると優雅で伸びやかなギター演奏で、しかもその演奏内容は秀逸。幻想的なギタリストの演奏という意味では、サンタナの「哀愁のヨーロッパ」やロイ・ブキャナンの「メシアが再び」に並ぶもので、3分で終わってしまうのはもったいないという余韻を残すナンバーだと思う。[収録曲]1. Prelude2. I'll See the Light, Tonight3. Don't Let It End4. Disciples of Hell5. I Am a Viking6. Overture 13837. Anguish and Fear8. On the Run Again9. Soldier Without Faith10. Caught in the Middle11. Marching Out1985年リリース。 マーチング・アウト [ イングヴェイ・マルムスティーンズ・ライジング・フォース ] ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓