カテゴリ:洋ロック・ポップス
愛しの名曲たち(2) カーペンターズ(Carpenters)の名曲を取り上げる不定期更新特集、第二弾は「遥かなる影((They Long To Be) Close To You)」(第一弾「涙の乗車券」はこちら)。作曲バート・バカラック、作詞ハル・デヴィットによるナンバーで、1970年5月にシングル発売され、その後、この曲のタイトルを冠したアルバム『遥かなる影(原題:Close To You,発売当初の邦訳タイトル:愛のプレリュード)』にも収録された。シングルは、全米ヒットチャートで4週間続け1位というセールスを記録し、年間通じても5位となった。 カレン・カーペンターの歌声は、1969年のデビュー時から完成されたものであった。かのポール・マッカートニーが“世界最高の女性ヴォーカル”と評したその声が、聴衆に受け入れられていったのは、まさにこの年のことだった。「遥かなる影」のヒットに続き、同じ1970年には上記セカンド・アルバムから「愛のプレリュード」が全米2位のヒット。さらには、年末に向けてリリースされた「メリー・クリスマス・ダーリン」というクリスマス曲もヒットし、有名ポップ・デュオとしての地位を確立した。 実はこの「遥かなる影」は、カーペンターズにとってある種の賭けだったようだ。1963年にリチャード・チェンバレン、1964年にディオンヌ・ワーウィックがこの曲を取り上げていたが、この曲をシングルA面として大々的に出すに際し、リチャード・カーペンターには不安があったという。リチャードは、ハーブ・アルパート経由でバート・バカラックを紹介された。リチャードの考えでは、バカラック・サウンドの甘ったるい部分が聴衆から大人気を得るか、さもなくば全く無視されるかのいずれかになるだろうと想像していたということである。結局、リチャードはピアノの奏法についての一定の条件の下に、自由に編曲できる権利を得てこの曲をレコーディングした。 その結果、「遥かなる影」は大ヒットとなり、カーペンターズにとって大きな飛躍の第一歩となった。この曲(そしてカーペンターズのアレンジ)は、その後も愛し続けられ、最近でも、日本では別の歌手によるヴァージョンがトヨタ・ホーム(noonによるカヴァー)や日本ゼネラルモーターズ(ANRIによるカヴァー)のCMに用いられるなどしている。 ↓今回の動画はこちら。1971年のライヴ映像です。↓ [収録アルバム] Carpenters / Close To You(邦題:『愛のプレリュード』、後に『遥かなる影』と改題) (1970年) その他、Carpenters / Yesterday Once More (ベスト盤、1984年)などベスト盤類に収録。 1970年、シングル・リリース。 下記のランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、ひとつでも“ぽちっと”応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012年06月16日 08時35分49秒
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