|
テーマ:本日の1冊(3688)
カテゴリ:ニュース
神奈川県が、2004年の12月定例県議会に「生活安全条例案」を提案したとき、県内在住の三人の憲法学者-石崎学(亜細亜大学)、北川善英(横浜国立大学)、清水雅彦(明治大学)-を呼びかけ人に、合計35名の法学者が、この条例案に反対する声明を出したことがありました。
この「生活安全条例」とは、警察庁生活安全局が雛形を作成したもので、神奈川県が議会に提案したのは、その警察の雛形を丸写ししただけのもので、しかも2004年に設置された「神奈川県安全・安心まちづくり有識者懇談会」が、たった三回、形ばかりの審議会を開いてまとめた報告書に基づいて策定されたというしろものでした。 法学者が反対した理由は、わが国憲法の精神である近代立憲主義に反する条例案だったからで、当時の反対声明は次のように述べています;
斎藤貴男著「ルポ 改憲潮流」(岩波新書)30ページから引用 この文章に見られるように、国家というものは権力を持って統治する側と、統治される国民とから成り立つものです。民主主義の国家においては、国民の間から代表が選ばれて権力の座につきますが、しかし、国民の代表であっても一旦権力の座につけば彼は権力者であって、恣意的に権力を乱用することも可能です。それを防ぐために、国家権力の行動規範を定めたものが憲法です。 従って、例えば「憲法は国民の思想・信条の自由を保障している」と言う場合、「首相も国民だ」などという台詞がいかに馬鹿げているか、わかるというものです。また、当ブログによくコメントしてくれる人の中には、 >ここの管理人みたいに憲法は「権力者」を縛るためにあるなどという妄想を吐くならともかく、 などと愚かな言辞を吐く輩もおりますが、こういう人たちには「近代立憲主義」とはいかなるものか、よく勉強してほしいものです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年09月22日 22時26分07秒
[ニュース] カテゴリの最新記事
|
|