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2010年09月03日
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カテゴリ:歴史認識
 「歴史教育から問う『韓国併合』」という特集を組んだ月刊誌「歴史地理教育」8号に投稿した高等学校教員の森口等氏は、自らの授業風景を次のように紹介している;


 戦前の「韓国併合」下において日本政府が行った皇民化政策は、多種多様な方策を用いての民族抹殺(まっさつ)政策であり、まさに朝鮮人民を臣民化するということでした。そのような日本帝国主義が犯した罪の根深さは言うまでもありませんが、その政策の頂点とも言うべきものが、創氏改名であると理解をしています。

 日中全面戦争の開始とともに皇民化政策は強化されていったと考えていますが、「皇国臣民の誓詞(せいし)」の強制や日本語教育の徹底とあわせての「三位一体」として、創氏改名を皇民化政策の頂点に位置づけたいと考えています。事実、朝鮮の学校で1937年に「皇国臣民の誓詞」が強制され、41年からは学校での朝鮮語の授業がなくなりました。その間の1939年に創氏改名が実施され、天皇を宗家(そうけ)とする日本社会的な基礎単位としての「氏」を強制的に創設し、「氏」や「名」を日本風にすることを強要したことの罪深さは、「宮城遥拝(ようはい)」の強制とあわせて「韓国併合」の授業の中心的な柱として押さえたいと考えています。

 ただ、その政策により自殺者すら出たほどの悲惨さを強調はしますが、どうしても生徒にその政策の残虐性が伝わらず、表面的な事例の紹介にとどまってしまっているもどかしさもあります。そのため、あえて生徒の感性に触れる形での創氏改名の具体例を紹介しています。

T「創氏改名で犬糞食衛(いぬくそくらえ)さんという氏名を届けた人がいるらしい。こんな変な氏名の人がいたのはなぜだと思いますか?」
S「『犬糞食衛』? そんな名前を自分でつけるはずがないと思うけど。」
T「いえ、自分でそんな変な名前をつけたそうですよ。なぜそんな変な名前をつけたのでしょう?」
S「もう、どうにでもなれ!やけくそ!という感じだったのでしょうか?」
T「そうですね。その他にも、玄田牛一という名前もあったそうですよ?」
S「何ですか、それは?」
T「玄田という漢字を縦に並べると畜という漢字になりますね。そして、牛一という漢字を縦に並べると…。」
S「生という漢字ですね。」
S「わかった! 畜生(ちくしょう)という抵抗の名前になる-」
T「そう。それほどまでに、創氏改名への抵抗は根強く、反発があったことがよくわかりますね。」

 そのような創氏改名のエピソードを伝えると、生徒の中には笑いすら洩(も)れはするものの、いかに当時の朝鮮人民が創氏改名に対して大きな反発を持っていたのかを理解することができると考えています。

 その他にも、「田農丙下」(「でんのうへいか」として、天皇を皮肉った名前)や「裕川仁」(「ひろかわじん」として、天皇裕仁を皮肉った名前)、「鉄甚平」(「てつじんぺい」として、「金」を失っても甚(はなは)だ平気だという名前)というものもあったことを紹介し、創氏改名がもたらした本質を理解させようとしています。もちろん、クラスの在日生徒の意識動向を事前に把握(はあく)しておくことの必要性は言うまでもありません。


月刊「歴史地理教育」2010年8月号 34ページ「地域に根ざし未来を志向する『韓国併合』の授業-3 創氏改名を中心に据えた皇民化政策の紹介」から引用

 私が高校生のときは、植民地下の朝鮮半島の様子についてここまで詳細な授業はありませんでした。元首相の麻生太郎氏も、高校時代にこういう授業を受けていれば、あのような失言は無かっただろうと思います。






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最終更新日  2010年09月03日 21時27分28秒
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