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2011年11月15日
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カテゴリ:歴史認識
 ルポライターの鎌田聡氏は、侵略戦争遂行の精神的支柱だった靖国神社が、戦後も存在し続ける問題について、10月25日の東京新聞コラムで次のように述べている;


 那覇で彫刻家の金城実と会った。父親の盛松(せいしょう)さんは24歳のとき、南太平洋のブーゲンビル島で戦死した。靖国神社に合祀(ごうし)されているのは、戦争賛美を強める政治的利用で、父親の人格を貶(おとし)める、と裁判に訴えていたが、先月上旬、高裁で敗訴、最高裁に上告した。

 彼と会った夕方、池宮城紀夫(としお)、大阪から来た丹羽雅雄弁護士などと、これから講座などを開いて啓発運動をする、と決めたのだそうだが、わたしは会議が終わるのを待ち構えていて、久びさに旧交をあたためた。

 その場に、彼を主人公にしたドキュメンタリー番組『英霊か犬死(いぬじに)か-沖縄から問う靖国裁判』を製作した、琉球朝日放送の三上智恵ディレクターがやってきた。祖父がわたしと同郷の弘前市、というのには驚かされた。

 「父親は英霊などではなく、犬死だ」と主張しつづける金城実を真っ正面から取り上げている。向(む)こう気の強い彼が、記憶にない父親やひとりで彼を育てた母親の話をしながら、涙が止まらない場面が印象的だった。

 息子には、父親を「英霊」から解放して、ふつうの人間にもどしてあげたい、との想(おも)いがある。ほかの原告も、家族ぐるみ英霊にされている人たちだ。死して再び、魂が徴兵されるのは不条理だ。この番組は、早大の石橋湛山記念ジャーナリズム大賞を受賞した。沖縄だからできた番組だ。       (ルポライター)


2011年10月25日 東京新聞朝刊 11版S 25ページ「本音のコラム-『英霊』か『犬死』か」から引用

 戦前の日本は、学校教育で国民に皇国史観を叩き込み、異なる考えの思想家や作家を虐殺するような社会であったので、国民が戦争で死ねば神として靖国神社に祭られるのだと教え込まれると、中には疑問を感じつつもおとなしく従うしかないとあきらめた国民が多数いたに違いない。中には「死んで靖国で会おう」などと、国家権力にはまことに都合のいい発言をするお調子者もいて、マスコミでもてはやされたらしい。そのような時代であれば、戦死者が靖国神社に祀られても、遺族はそういうものだと諦めたかも知れないが、現代は、思想信条の自由、信仰の自由が保障された社会であるのだから、侵略戦争を美化する神社に「英霊」として祀られるのは屈辱であるとの考え方があってもおかしくはない。国民として「納税の義務」はあるが、「英霊として祀られる義務」などというものは無いのであるから、裁判所は旧弊に囚われず、現代的な判断を下すべきである。







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最終更新日  2011年11月15日 18時05分14秒
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