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2013年01月16日
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カテゴリ:歴史認識
 従軍慰安婦が軍人を相手に売春を強要されたことを示す公文書の存在について、小松論文は次のように論証しています;


(4)公式文書では日本軍の強制を示す文書は無数にある

 日本の軍や官憲が、ほとんど強制的に女性を連れ出し、本人の意に反して「慰安婦」にさせたことを示す文書は、被害者らの証言以外にもいくつもあります。ここでは

[1]バ夕ビア軍事法廷での資料(オランダ人「慰安婦」事件)、
[2]東京裁判での判決、
[3]最近の一連の「慰安婦」裁判での事実認定

-という三点から考えることにします。


《オランダのバタビア軍事法廷での資料(いわゆる「櫻倶楽部事件」判決)》

 「調査結果によれば、オランダ領東印度各地の娼楼にヨーロッパ人女性を送り込むために日本占領軍が実力行使をした事例が数例あった。娼楼で働いた200~300人のヨーロッパ人女性のうち約65人は売春を強制されたことが絶対に確実である」

 この文書は1994年1月24日付でオランダの外相が同国の国会下院議長に提出した報告書です。日付から明らかなように、日本政府が河野談話を発表してからほぼ4カ月後に出されたものです。

 文書では、日本の軍や警察が売春の強要にかかわっていたことを次のように指摘しています。

 「2人の少女が働くことを拒否したら、憲兵ないしは警察によって検挙された。1人は短期間で釈放されたが、もう1人はグロゴル刑務所に留置された。戦後、日本人業者はバタビアの臨時軍法会議で禁固10年の刑を受けた」

 ここでいう「日本人業者」とは、事実上の売春所でもあった櫻倶楽部(さくらくらぶ)の経営者のAという人物です。Aが禁固10年の刑を言い渡されたのは、バタビア(現ジャカルタ)で、現地に住むオランダ人少女らに売春を強要した犯罪事実のためでした。この「櫻倶楽部事件」の判決は、Aの証言として「41年11月30日に日本へ戻り、日本政府の指示によって42年6月、再びバタビアへ戻ってきた」と述べていることを指摘。女性たちが「辞職しようとしたときには、場合によっては憲兵の介入をちらつかせた直接間接の脅しによって、上記のクラブで客たちとの淫売(いんばい)を強制した」と認定しています。注目すべきは、ここでAが「軍政監部から売春宿を開設するよう指図された」と証言していることです。

 「彼は、43年6月2日、軍政監部(原文:Gunseikanbu)から、バタビアのホルニング通りに売春宿を開設するよう指図を受けた。この指図が彼に二度出された後、彼は抗議しつつもこの指図に従った」

 あとでもふれることになりますが、連合国の一つであるオランダの軍法会議で、こういう認定がされたことは、きわめて重要な意味をもちます。

 ところで、この櫻倶楽部の問題は、日本の侵略戦争の反省という歴史問題の根本にかかわる重大な問題を提起しています。それは、同クラブ経営者のAが、靖国神社に「英霊」として合祀(ごうし)されていることです。(【資料11】)

 靖国神社は、戦争中、国民を戦場に動員する役割をになった神社でした。「戦争で死んだら靖国神社に神としてまつられる」 - それが天皇の赤子たる臣民の最大の「名誉」でした。Aが靖国に合祀されていたことを報じた「東京」(07年3月29日付)は、林博史・関東学院大学教授の次のコメントを紹介しています。

 「靖国神社の合祀対象は戦争に協力した人物であることが建前。慰安所経営者が、戦争に貢献したことを国が堂々と認めている。旧厚生省が『慰安所を経営してくれてありがとう』と言っているようなもので、重大な事実だ」

 以上の内容は、梶村太一郎氏ほかによる『「慰安婦」強制連行』(金曜日、2008年6月)に依拠したものです。この本には、オランダ領インドシナで日本兵が文字通り”家に乗り込んで、強制的に、女性を人さらいのように”連行されたという証言 - 有罪判決のもととなった被害者の声が多く綴られていることも付記しておきます。

 橋下氏は10月23日、オランダ人女性の「慰安婦」について「あれを慰安婦強制の、慰安婦の象徴例ということであれば、それは事実として認めますけど……」と述べました。「強制はなかった」という氏の主張は、完全に崩れ去ったということです。


月刊「前衛」2012年12月号 「『強制はなかった』という主張で問われるもの」から65~67ページを引用

 ここに紹介されている金曜日刊「『慰安婦』強制連行」は史料集ですが、やがては史料批判が加えられたのち、従軍慰安婦に関する実証的研究として成果が発表されることでしょう。







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最終更新日  2013年01月16日 18時57分08秒
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