カテゴリ:読書のココロ(小説)
美と教養と見栄と意地が溢れる珊瑚礁の五百年王国は悩んでいた。 少女まづるは憧れの王府を救おうと宦官と偽り行政官になって大活躍。 しかし待ち受けていたのは島流しの刑だった--。 見せ場満載、桁外れの面白さ!(上巻 426ページ) 黄昏の美しい王国にペリー来航。 近代化の波に立ち向かう宦官兼側室のまづる。 しかし破天荒な一人二役劇は突然幕を閉じる?。 時代の変わり目を嵐(テンペスト)となって生き抜いた王宮人の 苛烈な愛と涙の物語。(下巻 427ページ) 二段組みでびっしりと詰め込まれた850ページに 恋と歴史と友情、運命、信頼、嫉妬、陰謀、策略etc… ありとあらゆる要素がぎゅぎゅっと詰め込まれています。 新聞の宣伝文句で「ジェットコースター・ノベル」とありましたが 主人公のあまりにも波瀾万丈というか奇想天外な半生は、 まさにジェットコースター級。 舞台は江戸末期の琉球。 女性が学問をおさめることを許されなかった琉球王国で、 美少女・真鶴が宦官と性を偽り、政治の表舞台で大活躍。 が、陰謀により左遷されたり、復帰したり、また飛ばされたり…と忙しいのなんの! 近頃、何気ない日常を描いた小説ばかりを読んでいたので、 小説ならではの、非日常的でありえない激動の展開は おおいに楽しめました。 要所要所で詠まれる琉歌も物語に花を添えます。 時代の嵐に巻き込まれた王国と真鶴、 まさに「テンペスト」(嵐)というタイトルがぴったりの物語でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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