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分太郎の映画日記

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2007.06.27
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 1950年代にテレビ坂のスーパーマンを演じた俳優が、1959年6月16日、身体に一発の銃弾を残して自宅で死亡した。彼の名はジョージ・リーブス。
 警察は自殺として処理するが、リーブスの体に残された打撲痕や自宅に残された複数の弾痕など、その真相は未だ明らかにされていない……。

 世界一有名とも言えるスーパーヒーローを演じた俳優の栄光と苦悩の日々と、彼の死の真相を探し求める探偵の姿とを、交互に映し出しながら、ハリウッドの虚実――「映画の都」の持つ夢と毒を浮き彫りにした、人間ドラマの秀作。
 東京・日比谷のシャンテ・シネにて鑑賞(2007/6/24)。

 『ハリウッドランド』 評価:☆☆☆☆

 映画としては、ハリウッドの表と裏を見事に活写した脚本や、1950年代のハリウッドを忠実に再現したという美術や衣装も見どころ充分だが、何と言ってもベン・アフレックの演技が素晴らしい。

 日本で公開されたベンの出演作はほぼ見ていると思うが(『インディアナポリスの夏/青春の傷痕』や『200本のたばこ』、『ドグマ』なども劇場で見ていたりする。今年の公開作品では感想は未記入だが『スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい』にもちょい役で出てましたね)、たぶんベン出演作中で本作がベストともいうべき出来だろう。

 表面的には、かつては『アルマゲドン』などの出演を契機にスターとしてもてはやされながら、最近は(ジェニファー・ロペスとの破局以降は)バッシングされることの多いベンの姿そのものが、俳優ジョージ・リーブスの人生と重なってイメージされる部分が大きいのも事実。
 しかし、それが無くても、自分のイメージを理想とするものから遠く固定されてしまってフラストレーションに苦しみ、本当の自分とは何かを悩むスター俳優の孤独さを、深みのある演技で見事に体現していて、拍手喝采ものだ。
 ベン・アフレックのベストと書いたが、彼の過去の出演作中でというだけでなく、同世代の役者の中でもベストに近い出来ではなかろうか。
 それは、共演者のアカデミー賞受賞男優エイドリアン・ブロディ(ベンとは1歳違い)の演技がやや一本調子なのと比べてみれば明らかなように思う。
 話自体に興味がもてない人も、彼の演技を見るだけでも鑑賞の価値はあると思う。

 役者としては、そのベンの愛人を演じたダイアン・レインも凄い。
 子役スターは大人になるとただの人になってしまう場合も多いが(テイタム・オニールとか)、ダイアンは1979年の『リトル・ロマンス』(その可憐な演技は、未だに印象的)から、『コットンクラブ』以降1990年代後半まではやや低迷していた感はあるものの(私が知らないだけかも)、21世紀になって、『運命の女』や『トスカーナの休日』などで演技派の“大人の”女優として活躍しているのは、映画ファン的には大変に嬉しい。

 本作で彼女が演じたトニー役は、実在の人物ながらダイアンを想定して当て書きしたという。
 それもあってか、8歳年下の若い恋人をもって浮かれて幸せの絶頂の様子から、その恋人が新人女優のもとに去ってしまって悲嘆に明け暮れる姿まで――中年女性の光と影を、圧倒的な迫力で演じきっている。
 とくに最初にベンの前に現れた時のはっとするような美しさと、悲しみの虜になって顔の小皺もあらわになる後半の演技は特筆もの。

 かつて『デブラ・ウィンガーを探して』という映画が、現行のハリウッド・システムの中で中年になった女優が、役柄がなくいかに苦労しているかを、数々の当該年齢の女優にインタビューして描き出していたが、未熟な若さだけだ取り柄のような若手女優を中心に据える作品だけでなく、もっともっと経験豊富な彼女らが大いに活躍できる映画が(アメリカだけでなく日本でも)もっとたくさん創られてほしいと思う。

 話が本作からずれたが、もう一人の主人公を演じたエイドリアン・ブロディも悪くはないが、先に書いたように、やや一本調子なのが珠に傷か。
 もともと好きな俳優ではないので、点数が辛いのかもしれないが、個人的には『キング・コング』での彼の演技も今ひとつだったんだよな。
 確かに『戦場のピアニスト』は凄かったが、そもそもの役柄が良かったのと演出の力が大きかったのではなかろうか。
 たぶん底力をもった役者であろうから、渾身の一作を是非見てみたいと思う。

 とくに往年のアメリカ映画のファンには強くお薦めしたい秀作。


ハリウッドランド』 HOLLYWOODLAND

【製作年】2006年、アメリカ
【提供】ミラマックス・フィルムズ&フォーカス・ピクチャーズ
【配給】ブエナ ビスタ インターナショナル(ジャパン)
【監督】アレン・コールター
【脚本】ポール・バーンバウム
【撮影】ジョナサン・フリーマン
【音楽】マーセロ・ザーヴォス
【出演】エイドリアン・ブロディ(探偵ルイス・シモ)、ベン・アフレック(スーパーマン俳優:ジョージ・リーブス)、ダイアン・レイン(ジョージの愛人:トニー・マニックス)、ボブ・ホスキンス(MGMの重役:エドガー・マニックス)、ロビン・タニー(ジョージの婚約者:レオノア・レモン)、ロイス・スミス(ジョージの母:ヘレン・ベッソロ夫人) ほか

公式サイト
http://www.movies.co.jp/hollywoodland/



DVD
『リトル・ロマンス』

DVD
『トスカーナ
の休日』

DVD『デブラ・
ウィンガーを探して』

CDオリジナル
サウンドトラック

DVD『ストーリー・
オブ・スーパーマン』
ジョージ・リーブスの
勇姿が見られる





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最終更新日  2007.08.16 11:14:31
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