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辛口映画日記 [全406件]

映画「SRサイタマノラッパー2 女子ラッパー☆傷だらけのライム 」@スペースFS汐留  (2) 
[ 試写会2010 ]  

 当日は完成披露試写会と言う事で、映画上映前にいとうせいこう氏と入江悠監督のトークショーが行われた。続き、応援ゲストの演歌歌手大江裕が登壇して「夕焼け大将」を熱唱した。司会は坂内愛さん。

 サイタマノラッパー2
 映画の話
 前作で病死した“伝説のDJ”タケダ先輩が、生前に繰り広げたという“伝説のゲリラライブ”の聖地を探しに群馬にやってきた埼玉のラッパー・イック&トム。しかし「うちらがタケダ先輩の一番弟子!」と名乗る地元の女子・5人組に遭遇し…。

 映画の感想
 恥ずかしながら私は前作の存在すら知らずに本作に挑んだ訳であるが、これが面白いし感動した。前作を未見の為に推測になるが、本作は前作の主人公であった埼玉のラッパーのイックとトムが崇拝する伝説のDJ“タケダ先輩”の聖地となる群馬に訪れた事で物語は動き出す。本作はイックとトムが物語の狂言回しとなり、群馬の女子ラッパーグループ「BE−HAC」5人のメンバーの物語が描かれる。

 以下ネタばれ注意

 映画は群馬に乗り込んだイックとトムが道に迷い、家で作るコンニャクを配送中のアユムにタケダ先輩の聖地への場所を聞いた事で、眠っていたアユムのラッパー魂に火がつき、解散状態だった高校時代に結成した「BE−HAC」のメンバーを再集結させてラッパーへの夢に向かいだす物語であるが、世の中そんなに上手く行くわけ無い。

 大人になった彼女たちには現実の壁が立ちふさがり、夢が挫折に変わってゆく過程が丁寧に描かれる。家業のこんにゃく作りで単調な日々を過ごすアユム、母親の作った負債を抱え旅館を経営するミッツの他に、ソープ嬢、親が議員に立候補している高飛車娘など、それぞれが現実の壁にぶち当たり「BE−HAC」メンバーは再びバラバラになってしまう。

 元通りの生活に戻ったアユムに再びラップ魂を注入すのが、イックとトムと「BE−HAC」のメンバーと言う泣かせるクライマックスが秀逸である。主人公達にとってママゴト遊びの延長線の様なラップが初めて、自分の溢れ出る思いを言葉にして、魂の叫びへと変わってゆく瞬間をワンカメラの長回しで淡々と捉えた撮影と演出が素晴らしく、役者のテンションがMAXへと上り詰めていく過程が手に取るように判り、映画を見ていて私も思わずテンションが上がり目頭が熱くなってしまった。

 地方の田舎の風景にヒップホップと言うアンバランスな背景に、若者の夢と挫折を笑いと涙をちりばめた入江監督のセンスが光る一本である。劇中「BE−HAC」が歌う、いかにもダサいラップが映画を見て行くうち段々と心地よいグループに変わり、最後には愛すべきラップになってしまうマジックが凄い。イックとトムの旅は続き、次は「IBARAKI」に向かったらしい、続編も楽しみな作品だ。

 TREview

 映画「SRサイタマノラッパー2 女子ラッパー☆傷だらけのライム」関連商品
 
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最終更新日時 2010.02.05 22:11:57
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2010.02.02

映画「交渉人 THE MOVIE 高度10.000mの頭脳戦」@新宿バルト9 
[ 試写会 ]  

 映画上映前に主演の米倉涼子、反町隆史、林遣都、陣内孝則、松田秀知監督の舞台挨拶があっての上映だ。司会はテレビ朝日の勝田アナが務めたのだが、出演者共々チョコマカとネタばれ発言をしてしまって困った。客席は満席、女性客が多い。

交渉人
 映画の話
 2億6,000万円を乗せた現金輸送車の強奪事件が発生。人質をとって立てこもる犯人グループとの交渉に宇佐木玲子(米倉涼子)がやって来たそのとき、建物が爆発。そして数週間後、羽田空港にいた玲子は先の事件で人質になっていた青年を見かける。彼の様子に嫌な予感を感じた玲子は同じ飛行機に乗るが、なんと離陸直後にハイジャックされてしまい……。

 映画の感想
 私にしては珍しくテレビシリーズを見ていただけに素直に面白かった。本作は基本的にテレビシリーズを見ている事が前提で製作されているので、キャラクターや背景は予習が必要であろう。まず本作はテレビの監督なのでテレビ的なスケールなのは否めなく、突っ込みどころ満載の簡略化されたエピソードに不満が残るものの、映画を見ている間は勢いで押し切った形である。

 本作は「交渉人」と銘打っているが、宇左木玲子の交渉シーンはオープニングだけで、本題はフライトサスペンス作品に成り下がってしまっているのはご愛嬌である。映画は米倉涼子演じる主人公・宇左木玲子の活躍に焦点が絞られている為に、事件の概要や背景は割愛されまくりである。

 以下ネタばれ注意

 映画は現金輸送車を襲撃して逃亡する犯人グループと警察のカーチェイスで幕を開ける。オープニングから犯人グループの現金輸送車襲撃シーンが割愛され、続く、犯人グループが50名ほどの人質を取り立てこもる巨大ショッピングモールを制圧するシーンも無い。本作を製作したテレビ朝日の名作ドラマ「西部警察」であれば、以上のシーンは物語の見せ場として絶対に描くはずであるが、本作は予算の関係なのか割愛されている。観客としては、どの様にして50名もの人質をたった3名の実行犯が制圧したのか知りたい所であるが、これはあくまでも宇左木を引き立てる為のお膳立ての様な扱いなので、犯人グループの行動は割愛されてしまう。 

 映画はショッピングモールでバイト中に人質になった木元兄弟にスポットが当てられる。不景気日本の被害者の様な存在の木元兄弟は事件を起こした主犯格・御堂啓一郎に感化されてしまい、犯人グループが次に起こすハイジャック事件の実行犯になってしまう。もう本当に無茶苦茶な脚本で、木元兄弟がどの様に犯人グループに接触して実行犯になる描写が無いのは映画として致命傷であろう。

 人質が犯人に同情して一緒に犯罪起こす“ストックホルム症候群”と言う言葉がある位に現実的な話であり、木元兄弟の心情を深く掘り下げれば、映画として深みが出るが、本作の監督はまったく描く気がない。本作を配給した東映製作の乗り物パニック作品「新幹線大爆破」(75年)は、事件と並行して犯人グループの心情を回想シーンを使いながら、しっかりと掘り下げたおかげで犯人グループに同情出来たが、本作の犯人グループは理想だけ高い薄っぺらな存在になってしまったのが駄目だ。

 映画は休暇を利用して飛行機で北海道旅行に向かう宇左木が、木元兄弟の弟・裕介が北九州行きの飛行機に乗り込む姿を見て、直感的に彼の後を追いハイジャックされてしまう飛行機に乗り合わせてしまうと言う、「ダイ・ハード」の主人公ジョン・マクレーンと同じ巻き込まれ型刑事アクションへと突き進む。そして、同じ飛行機に休暇中で宇左木の上司・木崎も同乗していると言うご都合主義に徹した脚本で物語は展開してゆく。

 本作は日本映画初のハイジャック作品になるそうだが、映画のベースはハリウッド・ヒット作の良いとこ取りをしたような展開である。まず、犯人に面の割れていない宇左木が犯人の裏を欠いて単独行動を行う件や、犯人グループの要求が警察に拘束された犯罪グループのリーダー・御堂啓一郎の釈放の件や、主犯格と宇左木の格納庫でのバトルも「エアフォース・ワン」に酷似している。映画クライマックスに機長の変わりに宇左木が旅客機を操縦して着陸する描写も「エグゼクティブ・デシジョン」を思い出してしまった。

 それにしても、物語後半でピストルの弾で打ちぬかれた客室の窓ガラスも割れたら割れっぱなしで、その後は何も無かったかのごとく平然とした客室だったり、ピストルで右腕を打たれた宇左木が苦しみながらも飛行機の操縦桿を握ったりとリアリティの無い演出には苦笑してしまったし、宇左木の抱える病気ってテレビシリーズで描かれていたっけ?

 映画は犯人グループが起こしたハイジャックの真の目的や、事件を操る裏の黒幕など、国家を揺るがす一大スキャンダルに発展してしまう事件をおざなりにしてしまう幕引きが勿体無い。宇左木を主眼におきすぎて、もう一歩踏み込める余地を残して幕を閉じてしまうのが駄目である。最後の最後の宇左木の奇跡も演出しようがあったと思うのにサジを投げてしまう。何とも効率的に事を済ませてしまうイージーな演出が歯がゆい。

 まぁ、本作は2時間のドラマにアレコレ詰め込みすぎて各エピソードが未消化になってしまったのは否めない。しかし、作り手の趣旨は米倉涼子のカッコいい姿を見せる為の映画なので、私が先に書いた事は野暮な突っ込みになってしまうかもしれないが、せっかくテレビドラマを映画化したのだから、映画でしか出来ない深みのあるドラマを見たかったのが私の本音である。

 映画のフィルムについて
 それにしても昨日見たフィルムは黒つぶれが酷かった。多分、ハイビジョン撮影した素材をフィルムに変換した為に映像が劣化したと思われるが、こんな黒つぶれしたフィルムは海賊版並である。こんなフィルムを流すのならDLPを使いハイビジョンをスルーで流して欲しいものだ。

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最終更新日時 2010.02.06 00:14:21
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2010.01.25

映画「食堂かたつむり」@東宝第二試写室 
[ ブロガー試写会 ]  

当日はyahoo!映画ユーザーレビュアー試写会と言う事で、上映終了後に富永まい監督を招いて観客とのティーチインが行われた。客席は満席、座れないお客さんは補助椅子で鑑賞していました。

 
「食堂かたつむり」オリジナル・サウンドトラック/サントラ[CD]【返品種別A】

 映画の話
 倫子(柴咲コウ)がアルバイト先の料理店から戻ると同棲(どうせい)中のインド人の恋人の姿はどこにもなく、部屋は空っぽだった。彼女はあまりのショックで声が出なくなり、スナックを営む折り合いの悪い母親ルリコ(余貴美子)のもとに戻るしか選択肢は残されていなかった。倫子は自活するためにも、実家の物置を利用して小さな食堂を開くことにする。

 映画の感想
 富永まい監督作品は初めて鑑賞したが、アニメーションやCGを駆使した絵作りはCM監督時代に授かったセンスなのだろう。映画は主人公・倫子の生い立ちがアニメーションを使いミュージカル仕立てで説明されるが、映画冒頭から意表をついた出足で若干面食らってしまった。ノリとしては同じCM監督出身の中島哲也監督の「嫌われ松子の一生」なんかに類似するが、中島監督に比べると濃度は非常に薄い。

 以下ネタばれ注意

 映画は失恋のショックで失語症になった倫子が、母の暮らす田舎に帰郷する所から幕を開ける。舞台となる田舎には母性の象徴の様な“おっぱい山”と呼ばれる、女性のおっぱいの形にそっくりな二つの山を間近にした、丘の近く(地理的には特に説明的な描写が無いので不明)に立地する倫子の母が暮らす田舎には不釣合いな一軒屋と、離れの倉庫(後に改築されて「食堂かたつむり」になる)と、母が経営するスナック“アムール”がメインととなる箱庭的な世界観だ。

 監督は舞台演出も手がけているだけに、スタジオ収録した屋内シーンは舞台的でもある。物語の中心は母と娘の確執がやがて愛情に変わってゆく過程が描かれる。まぁ、それにしても主人公が失語症なので、彼女の内面がなかなか読み取れない。彼女は基本的に他人との対話に筆談を使っていて、母の飼っているブタのエルメスと話す時だけモノローグが使われる位で、倫子を演じた柴咲コウはとても感情表現に苦労したと思われる。対する倫子の母を演じた余貴美子は倫子とは対照的に自由天真爛漫な役どころだったので演じやすかったのではないだろうか?

 映画は監督曰く「映画の趣旨はファンタジーと現実ドラマの中間に位置する作品」と言ってるように、何とも中途半端な仕上がりの様に感じた。特に本作のポイントは食堂かたつむりで倫子が作り出す料理を食べた人の願いがかなったり、元気になったりと、丁度ネガティブ〜ポジティブになる不思議なパワーを秘めている事が本作の要である。

 映画の中では子供と離れ離れに暮らすブラザートム演じる熊さんのエピソードや、志田未来演じる片思いの少女の話や、江波杏子演じるおめかけさんのエピソードなどが描かれるが、熊さんはなんとなく人物の背景が描かれたが、他のお客さんは人物の背景が描かれていないので、どこかエピソードがぶつ切り感の様に感じてしまった。ちゃんと、食堂かたつむりに来店する客を丁寧に掘り下げて描けば、物語に奥行きが出てくるのだが、どうも人物の表現が表面的な所は否めない。

 表面的な人物像と言うと今、最も旬な女優・満島ひかりがチョこっと出演している。彼女は作品毎に様々な表情を見せる面白い女優である。本作では倫子に対してネガティブな事をしてしまう役であるが、何か演技が表面的で彼女のキャラクターを活かしきっていないのが残念であった。

 映画は母の結婚と病で親子はお互いと向き合い確執は解凍されるわけであるが、母があんなに可愛がっていたブタのエルメスの末路なんか、人の命や食する意味を突き詰めたエピソードとして、もっと踏み込めたであろうし、物語の要所要所に登場するハトの末路も、どれもこれも唐突感は否めないし、もう一歩踏み込める余地を残したサラリとした演出がもどかしい。

 「かもめ食堂」で幕を開けた料理がらみの邦画が人気を博しているが、映画を見るたびに美味しそうな料理が物語を牽引していた。しかし本作は主人公を演じた柴咲コウが吹き替え無しで、自分の手で料理を作ったそうであるが、今回は出来上がった料理を見てもあまり食指が動かなかった。

 本作の出来上がった料理を食べるシーンで思い出したのが、フジテレビ「美味しんぼ」である。「美味しんぼ」では、美味しい料理を食べた人物が覚醒するイメージを大胆な合成技術で表現しているが、「アレぐらいやれ」とは言わないが、何か本作は料理を食べ終わった後に、登場人物に画面を食材で彩ったフレームを使う位の地味な使い方もギミックとして面白味にかけた。

 富永監督にとって劇場長編2作目と言う事もあって、まだイメージ先行で表面的な演出が玉に瑕なのだが、彼女らしいアニメやCGを使った自由な発想を開花させれば映像クリエイターとして才能を発揮できるかもしれない。そんな彼女の才能の原石を見せられた様な作品であった。

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最終更新日時 2010.02.03 12:24:26
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2010.01.18

映画「オーシャンズ」@一ツ橋ホール 
[ 試写会2010 ]  

 今年初試写会です。客入りは8割くらいだ。作品柄、小さなお子さんも多数来場している。

  オーシャンズ
 映画の話
 地表面積の70%を占める、大いなる海洋は、数百万種の未知の微生物や巨大な動物の隠れ場所でもある。ほとんどその姿さえ見られたことのない生物たちの、謎に包まれた生態が、解き明かされる――。

 映画の感想
 「ニュー・シネマ・パラダイス」で晩年の主人公を演じた、俳優で映画製作者のジャック・ペランが監督した「WATARIDORI」に続く、ネイチャー・ドキュメンタリー作品だ。今回は題名の通りに海洋ドキュメンタリーである。

 映画は宮沢りえのナレーションによるナビゲートで展開して行くのだが、映画冒頭はなかなかナレーションも入らず、ひたすらカメラが生物を追う形で展開して、観客として動物の名前やロケ地を知りたい欲求にかられてくる、テロップでも入れてくれたら親切なのに・・・。映画冒頭のガラパゴス諸島に生息するウミイグアナは正に恐竜の末裔の様ないでたちで、海中を立ち泳ぎを背面から捉えたショットは“ゴジラ”に見えてしまった。

 まぁ、それにしても相当な撮影時間を割いたらしく、普段テレビのドキュメント番組では見れないような、生物に対して異常に至近距離で撮影した映像には圧倒される。本当に、ただ、ただ美しい映像に身を委ねる作品であり、海の中を優雅に泳ぐ生物を見ていると、非常にヒーリング効果が高く、観ているうちに段々睡魔が襲ってくる。他のお客さんも同じようで、コックリコックリしているお客さんも居れば、私の後ろの席の少年も寝息を立てて眠っている者もいる。

 映画は海洋生物の生態系を基本に弱肉強食、食物連鎖、共存共栄を描きながら、徐々に人間の犯した地球温暖化など、環境破壊にスポットが当てられてゆく。中でも一番酷かったのは、釣り上げたサメのヒレを全て切断して身動きの出来なくなった生きたサメを、そのまま海中に投げ捨てる漁師の姿は胸が痛い。何か極悪非道な漁師が東洋人(日本人かも?)だったように見えたのが一番痛かった。日本の漁業被害で話題になる島根県沖のエチゼンクラゲも、映画のカメラに収められると美しい生態で魅了されてしまうのが何とも皮肉である。

 それでも映画はメッセージ性は薄い。映画後半に思い出したように先のような描写が出てくるが、映画冒頭から中盤まで映される美しい映像と海洋生物の優雅な生態イメージが強すぎて、その後のメッセージはとって付けたように感じた。

 映画にはナビゲーターのようにジャック・ペラン監督と彼そっくりな少年が登場して展開してゆく。少年が気になったのでIMDBで調べたら、少年はランスロット・ペランという名前でペラン監督の三男だそうだ。あまりにも若い時のペランと息子の顔がそっくりで海洋生物の生態と共に、改めて人間のDNAの凄さを感じてしまった。

追記
 先に触れた全てのヒレを切り落とされたサメはロボットだったそうです。お友達のブロガーさんに教えていただきました。それから、海洋生物保護団体シーシェパードも映画に絡んでいるそうだ。何とも後味の悪い作品に仕上がってしまった訳であるが、ドキュメント作品に作為的な演出を入れる事は反則である。

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最終更新日時 2010.01.31 12:42:27
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2010.01.12

映画「アバター」3D版@TOHOシネマズ川崎  (3) 
[ 劇場2010 ]  

 昨年末に引いた風邪をこじらせて自粛していた映画活動を再開しました。今年初鑑賞作品はずっと楽しみにしていた「アバター」です。お正月休みも終わった平日のTOHOシネマズ川崎で一番大きいスクリーン5には、542席に対して40〜50名位の閑散としたものでした。
 
 
アバター オリジナル・サウンドトラック
 映画の話
 下半身不随になり、車いす生活を送るジェイク(サム・ワーシントン)は、衛星パンドラにやって来る。彼は人間とナヴィ族のハイブリッドであるアバターに変化を遂げ、不自由な体で単身惑星の奥深くに分け入って行く。慣れない土地で野犬に似たクリーチャーに襲われていた彼は、ナヴィ族の王女(ゾーイ・サルダナ)に助けられる。

 映画の感想
 ジェームズ・キャメロン監督作品として見るとまぁまぁだ。主人公ジェイクが死んだ兄の身代わりに極秘プロジェクトに参加させられるパターンは「イーグル・アイ」とそっくりで、オープニングの登場人物が睡眠から覚める描写は、彼の監督した「エイリアン2」であり、アーミーの描写はまるっきり「エイリアン2」である。とてもキャメロンらしい描写にファンとして単純に嬉しい。主人公をサポートする博士が「エイリアン2」の主人公リプリーを演じたシガニー・ウィーバーなのだからもう笑うしかない。軍隊を操る鉱物資源会社の責任者パーカーの存在も、まるっきり「エイリアン2」のキャラクターで、ユタニ社の社員・バークにそっくりで、キャメロンの書く脚本のワンパターンぶりが可笑しい。

 大体、私は「『タイタニック』のジェームズ・キャメロン」と言う宣伝文句が嫌いだ。個人的に『タイタニック』はキャメロン監督作品の中では異物であり、私の知っているキャメロンは「ターミネーター」シリーズ、「エイリアン2」といったSF畑の監督であり、本作にキャメロン監督がたどり着きSF畑に返り咲いたのは手放しで喜びたい。

 以下ネタばれ注意

 映画のパターンは丁度、潜入捜査官に似ている。「主人公がアバターの体を使い相手の懐に飛び込み活動して行く内に、相手側に魅了されて寝返ってしまう」と言う、話自体は単純な話であるが、本作は「CGを駆使した圧倒的なビジュアルイメージが凄い」と言いたいところであるが、これも手放しでは喜べない。パンドラのビジュアルイメージはどう見てもイギリスのプログレッシブ・ロックバンド「YES」のジャケットのアートデザインを担当した画家ロジャー・ディーンの世界観にそっくりなのは頂けない。多分、キャメロン監督の世代であればロジャー・ディーンの世界観に多大な影響を受けているはずであり、インスパイアされたのだろう。

 下半身不随で車椅子生活の主人公が仮想現実では飛躍的な身体能力を発揮する元ネタは、ロバート・ロドリゲス監督作品「スパイキッズ3−D:ケームオーバー」に出演した名優リカルド・モンタルバンの話に似ている。彼は実生活では車椅子生活であったが、映画の中でCGキャラクターとなり、自由に駆け回り元気な姿を見せて家族を喜ばせたそうだ。この辺の話もキャメロン監督はチェックしていてインスパイアされたのではないだろうか?

 話は逸れてしまったので戻ります。映画のメインの話は鉱物搾取の為に先住民を武力で排除させると言う、アメリカの行ってきた悪しき歴史をメタファーにしたような物語で素直に喜べない。先住民ナヴィのキャラクターデザインも微妙すぎて好きになれない。唯一、シガニー・ウィーバーのアバターだけ、本人にそっくりで楽しい。まぁ、それにしてもここまでCGだけのドラマと思っていなかったので正直面食らってしまった。驚愕の映像を作る為に人間をはめ込むのは困難な事は理解するが、やはり人間の出てこないパートには感情移入し辛い。対する人間側のドラマも非常に薄っぺらであり、現実と仮想現実の中を彷徨う主人公は良いとして、極悪非道な大佐を演じたスティーブ・ラングや、私のお気に入り女優のミシェル・ロドリゲスが演じたパイロットの描写がステレオタイプだ。彼らのキャラクターの心情を深く掘り下げれば物語に幅が出たと思うと残念である。

 まぁ、色々と文句を書いてしまったが「じゃあ、面白くなかったの?」と聞かれたら「面白かった」と答えてしまうだろう。映画前半の主人公がアバターの体を手に入れて、パンドラの密林で出くわす様々な生物のダイナミックな描写は「キングコング」や「ロストワールド」を彷彿とさせている。特に面白いのはナヴィと生物が絆を結ぶ為に、ナヴィの髪の毛と生物の突起物を接続させて同期させるアイディアは秀逸である。まるでパソコンのUSB接続の様で面白い。それから、映画後半の人間対ナヴィのスペクタクルな描写にはエキサイトしてしまった。怪鳥とヘリの戦いは韓国映画「D−WARS ディー・ウォーズ」にちょっと似ている。

 そして、映画はダメ押しの様に「エイリアン2」に出てきたパワード・スーツ“パワーローダー”が進化した、人間が乗り込み操縦するロボット対ジェイクの一騎打ちも「エイリアン2」のクライマックスでのリプリーVSエイリアンクイーンの様で面白い。特にロボットがナイフを取り出したときは、あまりにも滑稽な描写に一人で声を出して笑ってしまった。まぁ、この一騎打ちもお互いが借り物の姿での対決で、結局はアバターとロボットをコントロールしている人間そのもの生命が、ナヴィと人間の勝敗を握ってる事がポイントなのが考えさせられる。

 最後に音楽について書きたい。「エイリアン2」「タイタニック」とキャメロン作品で音楽を担当したジェームズ・ホーナーが本作の音楽を担当したのだが、劇中のスコアの所々に「タイタニック」「エイリアン2」と同じフレーズが流用されているのには失笑してしまった。元々ホーナーは器用な作曲家ではないので癖が出てしまったと考えられるが、一聴して観客が気づくようなスコアを書いては駄目だ。それから、まだ確認はしていないが彼が担当した同じ密林物でメル・ギブソン監督「アポカリプト」辺りのスコアも流用しているかもしれない・・・・。

 追記
 ゾーイ・サルダナとシガニー・ウィーバーの組み合わせって、間違ってなければ「バンテージ・ポイント」のオープニングで、爆発に巻き込まれるレポーターと中継車でその光景を見ていたディレクターだったと思う。こんな形で二人が共演するとは想像していませんでした。

 TREview

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最終更新日時 2010.01.19 13:05:05
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2010.01.02

2009年邦画辛口ベスト5+洋邦ワースト作品  (5) 
[ ベスト10 ]  

 新年明けましておめでとうございます。本年も「masalaの辛口映画館」をよろしくお願いします。

 新年の第一発目は昨年予告していた「2009年辛口ベスト10」の邦画編です。しかし、昨年は良い邦画と巡り会えずベスト5+1に縮小になります。それでは寂しいので今年はワースト作品もおまけで発表です。

 第一位
 
Bungee Price DVD 邦画重力ピエロ: 特別版 【DVD】

 第二位
 
【23%OFF!】プライド デラックス版(DVD)

 第三位
 
【スペシャるプライス】 少年メリケンサック スタンダード・エディション(DVD) ◆25%OFF!

 第四位
 
【スペシャるプライス】 おっぱいバレー(DVD) ◆25%OFF!

 第五位
 
Bungee Price DVD 邦画Goemon 【DVD】

 次点
 
TAJOMARU


   ワースト洋画
 
【新品DVD】★25%OFF!★ハリー・ポッターと謎のプリンス [新品]
 シリーズを通して全ての作品を見てきたがこれは酷い。シリーズのつなぎ的な作品で「スター・ウォーズ」シリーズで言えば、オープニングの文字で語られるエピソードと同等の物語を永延と見せられても何も面白くない。特に物語自体は非常にダークな話なのに、学園の生徒たちは浮かれつぱなしで、映画全体のトーンもバラバラと言うのも頂けない。原作者のJ・K・ローリングはシリーズが進むごとに、読者&観客の顔色を伺いながら物語を構築しているようで気に入らない。制作費と出演者のギャラが高騰してしまい監督のチョイスもショボくなり、テレビ出身のデヴィッド・イェーツ監督は映画的なスケールが出せないのも痛い。

   ワースト邦画
 余命1ヶ月の花嫁 スタンダード・エディション(DVD) ◆22%OFF!

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 何のために映画のにしたのかサッパリ判らない作品だ。映画のモデルになった千恵さんも「若年性乳がんについて知って欲しい」と言う目的でドキュメント撮影を希望していただけで「映画にして欲しい」とは一言も言っていなかっただけに、映画の裏で金の計算をするTBSと製作者の腹黒い匂いを感じてしまった。「こんな映画を見るのならTBSが撮影したドキュメント作品の方がまし」と言いたい所だが、このドキュメントも作為的な匂いがプンプンなのでお勧めできない。

 
南極料理人
 世界的に飢餓に苦しみ餓死して行く人々がいる中、過酷な任務と言うだけで無駄に豪勢な食材を消費している隊員たち姿に映画を見ながらはらわたが煮えくり返った。平和ボケした日本映画の象徴するような作品である。映画後半のラーメンがらみのエピソードで、肝となるオーロラをカットインしない未熟な演出には閉口してしまった。

 「2009年洋画辛口ベスト10」はコチラ

 正月初っ端から辛口コメントになってしまいましたが、映画を愛するがゆえの事なのでご了承願いします。尚、抗議のコメントも受け付けていません。

TREview


最終更新日時 2010.01.12 23:57:02
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2009.12.30

2009年洋画辛口ベスト10  (16) 
[ ベスト10 ]  

  年の最後は恒例のベスト10です、あくまでも私の独断と偏見で選定しています。

 第一位
 
Bungee Price DVD 洋画スラムドッグ$ミリオネア 【DVD】

 第二位
 
【年末年始ポイント10倍】グラン・トリノ【Blu-rayDisc Video】

 第三位
 
Bungee Price DVD 洋画チェンジリング 【DVD】

 第四位
 
スター・トレック スペシャル・コレクターズ・エディション / クリス・パイン

第五位
 
イングロリアス・バスターズ オリジナル・サウンドトラック / サントラ

 第六位
 
ノウイング プレミアム・エディション

 第七位
 
Bungee Price DVD 洋画セントアンナの奇跡 プレミアム・エディション 【DVD】

 第八位
 
05P09Dec09 最新作 「2012年」 SF映画劇場用映画ポスター

 第九位
 
【年末年始ポイント10倍】G.I.ジョー

 第十位
 
【年末年始ポイント10倍】ターミネーター4 コレクターズ・エディション

 次点
 
エントリーでポイント5〜9倍!12月21日14時まで 【トキメキ特価!】 新宿インシデント(DVD) ◆27%OFF!

 今年一年「masalaの辛口映画館」をご愛読頂きありがとうございます。

 では、2010年も「masalaの辛口映画館」をよろしくお願いします。

 追記
 「2009年邦画辛口ベスト5+洋邦ワースト作品」はコチラ


最終更新日時 2010.01.12 00:08:57
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インターネット新聞「JANJAN/映画の森」にて“試写会記者”として活動を経て、現在はフリーで活動中です。 Yahoo!映画にてmyムービーを開設しています。http://my.movies.yahoo.co.jp/profile-_zqZkuGbdD3QbZP7...
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