☆緑たんの脱皮 その6 クリロズの女神 ☆
手放すよなにもかもなにもかも大事に抱えてきたもの すべて失うことが怖くて 手を伸ばさずにきた青い鳥はそこにいたんだろう?お前は何をしてきたかと 問う声は誰何もできていないよ 何も望んだ夢は すべて叶えられずに消えた大切なあの人を 救うことはできなかった・・・・・・いつも・・・・・・何度も味わう苦痛永遠に続く懺悔望みが消えることを 私は選んできたというのか?茨の鞭ではりさける心 血が止まる暇さえなく次の生でも そして次の生でもいつもいつも 手の中から零れ落ちてゆく輝く命私は何もできてはいないよ何も残せてはいないあの命さえ残っていたなら それでよかったのに・・・血の涙だけが 永劫の闇に滴ってゆく愛していたよ愛していたよ私の女神この想いを手放せば次にあなたを護れるというのなら手放すよなにもかもなにもかも すべてを。(銀の月のものがたり 第0話 より)***これをさつきのひかりさんがトールの言葉として書いたのは去年の秋。見るからに癒されていない状態でトールが現れた直後のことだ。そのときは、ジャンヌ本人、もしくはすべてのジャンヌ転生者に向けられた言葉なのだろうと思って読んでいただけだった。いくらジャンヌでも「女神」とはなんとも大げさな、と思い、次の生でも そして次の生でも いつもいつも、の言葉の真の意味だってわかっていなかった。今年の春、緑はクリロズの地下で初めて、トールも立会いのもと、数人のマスターに囲まれながら「導管」としての仕事をした。そのときクリロズの時の過去生の名は、その意味を現代の名前として通用する言葉に直せば「テイア」が近いだろう。マスターの1人にそう一瞬の思考の固まりで教えられながら、クリロズに残されていたテイアの残存エネルギーと融合させられた。http://plaza.rakuten.co.jp/californiajade/diary/200904120000/クリロズの過去生当時、トールは上層部の基地からクリロズ担当としてコンタクトがあった情報将校のようなものだった。計画の隠された目的は波動を下げた世界で人の感情はどうなっていくか、という実験。地球の内部に存在するエメラルドエネルギーと同期できる、クリロズの活動には欠かせなかったテイアが、その混乱の引き金となるために死を迎えるであろうことはテイアとなるはずの魂も転生前に志願し、最初から決められていた計画。それを知りながらトールは、記憶を消して何もわかっていないクリロズのクルーたちと罪悪感を持ちながらも友人として交流を続け、計画が佳境に入る頃に出入りを禁止された。今でもトールはクリロズのシュリカンの私室の地下にあたるテイアの墓から薔薇を絶やさない。時間などあってないような上の次元の存在であるトールにとって、あの記憶はきっと、濃くて、近い。クリロズオープン前、当時の面影を拭い去りたいかのようにシュリカンと2人、短期間で館内すべてのインテリアの改装をしたトールだが・・・緑の・・・・テイアの部屋でくつろぐことなど、いまだする気にはなれないはずだ。ずいぶんあとになって、テイアとは何の意味であるのか調べてみた。http://en.wikipedia.org/wiki/TheiaThe name Theia alone means simply, "goddess";「女神」 だ。つづくいつもランキングの応援クリックありがとう☆