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テーマ:鉄道(22811)
カテゴリ:福島・宮城の地元ネタ
阿武隈急行の存廃論議、今月に入ってから急に地元マスコミに取り上げられるようになりました。 論調としては、福島県側が鉄道維持のスタンスで一致している一方で、宮城県側は足並みの乱れが見られる…そんなところでしょうか。 ただ、宮城県側は、鉄道を維持するかどうかも含めていろんなパターンを検討する意向を示しており、鉄道維持一本鎗の福島県側とは違って、柔軟な対応をしているとも解釈できます。一方で、福島県側の態度は視野が狭いと言えなくもありません。 率直に言って、阿武隈急行の輸送密度が利用者が多いとされる福島県側でも1,300~1,400人ぐらいでしたでしょうか。このぐらいだと鉄道としての維持は厳しくなると言っていいし、福島県側も鉄道以外の輸送モードについて実現するかは別として検討しておいた方がいいとは思うんですけどね。 阿武隈急行の主な利用者層は通学の高校生だと思うのですが、沿線の伊達市の教育要覧を見ると、小学校の児童数の激減ぶりが目を引きます。伊達市が発足した2006年の児童数を昨年の児童数と比較すると、これだけ減っているんです。 旧伊達町 675人 ⇒ 639人 37人(5.3%)減 旧梁川町 1,202人 ⇒ 583人 619人(51.5%)減 旧保原町 1,475人 ⇒ 1,011人 464人(31.5%)減 旧霊山町 471人 ⇒ 190人 281人(59.7%)減 旧月舘町 232人 ⇒ 64人 168人(72.4%)減 市合計 4,055人 ⇒ 2,487人 1,568人(38.7%)減 なお、東北本線の伊達駅が所在し同線の利用層が多い旧伊達町を除くと、 3,380人 ⇒ 1,848人 1,532人(45.3%)減 となる。 彼らが高校生になる頃には、阿武隈急行の利用状況は先細りということが容易に想定されますよね。 もう一つ、残酷なデータを出しましょうか。阿武隈急行沿線に所在する高校の合格者数も、ここ数年激減傾向にあるんですよね。昨年から梁川、保原の両高校が統合して伊達高校になりましたけど、その影響とは無関係に、直近10年間でこれだけの減少傾向が見られます。 2014年 311人 2015年 259人 2016年 276人 2017年 245人 2018年 243人 2019年 189人 2020年 178人 2021年 104人 2022年 118人 2023年 128人 2024年 124人(推計値。対2014年で187人(60.1%減)) たった10年間で半減未満…小学校の少子化傾向も考慮すると、合格者数はもっと減ることが予想されます。本当に鉄道、維持できるんでしょうかねぇ? だからこそ、鉄道以外の輸送モードの検討は、必要不可欠と考えます。福島県の場合、只見線を上下分離方式で復旧させた愚策(これは何度でも言います。愚策以外の何物でもありません)を地元マスコミや鉄道マニアがいいように取り上げたため「鉄道存続=善」的な風潮が蔓延する傾向にあるのですが、もう少し多角的に地域交通の将来像を見られないものかと思うのです。せめて、「いろいろ検討したけれど鉄道がベスト」という形に持っていければいいのですが。「鉄道維持ありき」という感情論じゃなくてね。 【ふるさと納税】阿武隈急行30周年入場券セット(24駅分)無人駅 私鉄 ローカル線 送料無料 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.06.13 15:10:57
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