3326174 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

加藤浩子の La bella vita(美しき人生)

加藤浩子の La bella vita(美しき人生)

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
January 16, 2017
XML
カテゴリ:カテゴリ未分類

 大変おそまきながら、あけましておめでとうございます。

 本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 先週のことになってしまいましたが、新国立劇場の、2017−18シーズンのラインナップが発表されました。会場20周年ということで、かなり華々しい演目が並んでいます。

 チェックされた方も多いと思いますが、演目やキャストなどは以下のリンクで見ることができます。

 http://www.nntt.jac.go.jp/release/detail/170112_009606.html 

  記者発表に行きましたが、なかなか楽しみなラインナップだ、というのが正直な感想です。飯守泰次郎芸術監督の最終シーズンでもありますが、飯守監督らしいラインナップだなあと、納得できる内容でした。

 シーズンオープニングが、飯守監督の悲願、「リング」の最終作、「神々の黄昏」というのはまあ当然なところですが、オーケストラが読響、というのが楽しみ。歌手は、最近の新国のワーグナーものの例にもれず、豪華です。ほとんど新国の「ハウスヘルデンテノール」と化しているステファン・グールドはもちろんですが、なんとワルトラウト・マイヤー!まで出てくるのですから。

 個人的な関心は、飯守監督はもう1作くらい振られるのだろうけれど、何を振るのかなあ、というところにあったのですが、

 「フィデリオ」(新制作、5月)ときました。なるほど。ドイツオペラの祖。 飯守監督といえばやはりドイツもの、ですしね。そしてここでも、グールド登場(彼はたしか以前も新国でこの演目を歌ったはずでは)。そしてなんと、演出が、カタリーナ・ワーグナー。バイロイトの総監督にして女王。さすが、バイロイトで活躍された飯守監督のネットワーク。これは面白そう。

  他に、ドイツもののの再演としては「ばらの騎士」「こうもり」と人気どころが並びました。

 さて、新制作、このところ3本ですが、上2作に続く3本目は、細川俊夫氏の「松風」(2月)。ドイツを拠点に世界的に活躍する細川氏の代表作のひとつですが、なんと日本初演だそうです。それを新国でやる、というのはやはり快挙といえましょう。ほんとうは新国が委嘱して新作だったりすればもっと意味があるのでしょうが。。。とはいえ、人選、選曲とも、飯守カラーが出ていると感じました。

 一方のイタリアものは、新制作はありませんが、「開場20周年」ということで、定番の人気豪華プロダクション「アイーダ」「トスカ」が登場。 「アイーダ」は、これも最近新国のハウスイタリアもの指揮者、という感じのカリニャーニの指揮。いい指揮者ではありますが、このところ毎年なので、違う指揮者に振ってもらいたかったという気もしないでもありません。対して「トスカ」では、こちらもイタリア人で若手の注目株、ロレンツォ・ヴィオッティが登場するのが楽しみです。ロレンツォは、イタリア・オペラの名指揮者で、働き盛りで逝ってしまったマルチェロ・ヴィオッティの息子さんで、東響などに登場して好評を博しています。お父さんのマルチェロは、新国でも随分活躍しました。ので、息子さんの登場をあちら側で喜んでいるのではないでしょうか。

 とはいえ、イタリアものの指揮者で嬉しいのは、11月に上演される「椿姫」に、リッカルド・フリッツアが登場すること。フリッツアは一時新国で大変活躍しており、「オテロ」「マクベス」など数々の名演を残しました。東日本大震災を機に来日が途絶えていたので、今回復活するのは大変嬉しいです。「椿姫」は、主役をメトやスカラでも活躍中のイリーナ・ルングが歌うのも楽しみ。アルフレードはこのプロダクションの初演時と同じアントニオ・ポーリですが、ポーリはいいのですが、実は今年6月にもマッシモ劇場の来日公演で同じ役を歌うので、まあできれば別の歌手を連れてきてほしかった。

 さて、とはいえ、このシーズンの新国で、期待したいテノールといえば、しばらく前に「ウェルテル」で大成功したディミトリ・コルチャックが、「ホフマン物語」を歌うことでしょう。これは大いに楽しみです。他の役も、悪役4役を芸達者なトマス・コニエチュニーが歌うのを始め、砂川涼子、安井陽子、横山恵子と日本人トップ歌手が勢ぞろいするのもワクワクします。

 外国人ソプラノでは、3月の「愛の妙薬」に、国際的なコロラトゥーラソプラノ、ルーシー・クロウが登場するのがいちばんの期待でしょうか。「トスカ」ではパワフルなキャサリン・ネーグルスタッドが聴きもの。ソプラノではありませんが、「アイーダ」で、この役をはじめメゾのドラマティックな役柄で大活躍のエカテリーナ・セメンチュクがアムネリス役を歌うのも大変楽しみです。

 あと、面白そう、と思ったのは、地域招聘オペラの「ミカド」(びわ湖ホールのプロダクション。8月)。サリヴァンの支離滅裂?ジャポニスムオペラ(というかミュージカルのようなもの)ですが、有名な割には日本で、それも大きな劇場ではなかなか見ることができません。園田隆一郎さんが指揮することになっており、これはとても見たい演目です。

  3つの新制作にはそれぞれ意義があり、芸術監督のカラーが出ていて、再演ものも、どの演目にもそれぞれ注目のキャストがいる。なかなか面白くなりそうな、新国立劇場の新シーズンラインナップでした。

 






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  January 17, 2017 12:10:04 AM


PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

プロフィール

CasaHIRO

CasaHIRO

フリーページ

コメント新着

バックナンバー

June , 2024

© Rakuten Group, Inc.